第96話
…とまぁ、そんなわけで。なんてマミヤちゃんには言えないけれど王子には頼れない現状。
「マミヤちゃん、ありがとっ」
解き方が載り、参考書になったノートを受け取って、あたしは買い物に出る。
いい匂い、とか言われちゃうとなんか匂いに気を遣いたくなってしまう。
ブラブラとお店を回り、自分なりの「お気に」を見つけて寮へ帰る途中、見てしまったタカリの現場。
路地裏で、小さくて可愛らしい女の子が、綺麗なお姉さん達に囲まれている。
(うわ…可哀想…)
周りの人も見て見ぬふり。
あたしもゆっくりと通りすぎる。
通り過ぎる…
(はっ!?)
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