世界最強のあなたと俺では釣り合いが取れません!

@animalprotectionap

第1話『最初の1週間』

「ギルマス、あなたが心配なさっていた事はもう何もございません。全て私共の方で片付けておきました」


「ありがとう。よくやったわシロミル」


「それと、最近うちに入った新人の話なのですが、彼は期待できそうですよ」


「あら…私はあんまり期待していなかったのだけれどあなたが言うなら本物ね。うちの精鋭部隊もさらに強くなりそうね」


「ええ、精鋭部隊の連中は皆、新人に越されてたまるかと息巻いております。私も…越されないように精進しなくてはなりませぬな」


「あなたほどのプレイヤーが最近始めたばかりの新人に越されるなんてありえないわ」


「有難いお言葉ですが、あなたほどではありませんよ」


ー                  ー


数日前まで趣味も仕事のやる気もない普通の社会人だった俺は、このままではまずいと思って溜まっていた有給を使って長い休みをもらう事になった。

有難い事にうちの会社はかなりのホワイト企業で有給はかなり多い上に、連続で休みをもらう事もできて、初日欠勤もできる珍しい会社だ。と思う。


長い休みといっても1週間ほどだが、新しい趣味を探して、始めるにはちょうど良いくらい時間があった。むしろ長いくらいだ。

1日目俺はとりあえず趣味を探す事にした。

1日目と言っても前日の夜から徹夜で自分のやりたい事について考えて過ごしていたのだが登山やダイビングと言ったアウトドアな趣味からゲームまで幅広く考えて、結果ゲームを始める事にした。


始めたのはオンラインゲームで主にギルドなどに参加してみんなでワイワイするタイプの友達0人キラーなのだがこのゲームは少し違ってゲームにログインするなり10人以上のプレイヤーからギルドに参加しないかとメッセージが送られて来た。

俺はまだ始めたばかりでこのゲームについて良く知らなかったので全て断る事にした。

そんなこんなでゲームを開始するなりチュートリアルに従って少し狩をしてみるとあとはストーリーに沿ってゲームを進めていった。

ストーリーはしっかりとしていてダンジョンのクオリティも高く、レベルや装備品の質だけで簡単に攻略できるほどの物ではなくて普通なら他のプレイヤーに手伝って貰うのだが俺は傭兵を雇ってクリアした。


しばらくして傭兵ではクリアできなくなって来た頃、俺はすでにこのゲームについてある程度の事は知っていたのでパーティー募集をかける事にした。


ピコッ「初めまして。よろしくお願いします」


ピコッ「初めまして。よろしくお願いします」


ピコッ「初めまして。よろしくお願いします」


パーティー募集のボタンを押した瞬間に固定分の応募が何件かきた。

驚いた事は募集開始から数分で100件近い応募が来ていた事だ。

中にはレベル1500の人間もいてかなり驚いたのだが俺は自分と同じくらいのレベルのプレイヤーをパーティーに招待した。

理由は廃人クラスのプレイヤーに手伝って貰うのは申し訳ないって言うのと自分の力で攻略したいと思ったからだ。


このゲームではレベル上限が存在せず、だからと言ってレベルが高ければ強いと言うわけでもなくてレベルはプレイ時間や廃人レベルを表す物だった。

このゲームでの戦力を表す物は確かにレベルや装備の質の高さだが、その全てを覆す事ができてしまうのが技術だ。

この世界ではどれだけレベルが高くてもどれだけ質の良い装備を着ていてもプレイ技術の高い人間が勝者となる。

ちなみに俺のレベルは現時点で120レベル、始めて2日にしてはかなり早い方だと言われたがおそらく始めて2日で廃人になりかけているヤバいやつと言う意味なのだろう。


「いやぁ、ありがとうございました。こんな弱いプレイヤーのためにわざわざ集まって頂いて〜」


「いえいえ、全然弱くありませんでしたよ!装備や武器の質こそ低いとは言え、実力はかなりのものでしたよ」


「そんな事ありませんよ俺なんてまだまだ」


「良かったらうちのギルドに来ませんか?って言っても…僕もまだ新人なのでギルマスの許可貰わないとですけど、僕で入れたんですしあなたなら全然歓迎ですよきっと」


「ギルド…ですか、、俺まだ始めたばかりであんまりこのゲームについて知らないんですよ…だからまだそう言うのは」


「問題ないですよ!うちのギルド結構ガチ勢多くて、だからと言って性格の悪い引きこもりとかじゃない普通の社会人で新人にすごい優しいんですよ?だから問題ないですって」


「まぁ、そこまで言うなら…とりあえずギルマスに挨拶だけしようかな」


「僕のわがまま聞いてもらってありがとうございます。実はギルマスからメンバー全員にこれから強くなりそうな人と強い人をギルドに参加するように言ってみろって命令されてるんですよね」


「なるほど…それで、、」


「でもパーティーに入った理由は普通に攻略のためですから!そこでたまたまうちの精鋭クラスのあなたに…ってなんでも無いです。さっギルマスのところへ」


「精鋭クラス?まぁ良いでしょう。行きますか、ギルマスのところへ」


パーティー募集をかけて集まって来てくれた人たちの中からレベルが近い人を数人集めて何度かダンジョンの攻略を行った。

基本的にはオートプレイで放置するのは危険なのだがダンジョンのモブを狩っている間は放置しながらチャットをして盛り上がっていたので特に退屈する事はなかった。

ちなみに上級者レベルのダンジョンでは雑魚モブを狩っている間も油断はできない。

なぜなら他のプレイヤーが襲ってくるから。


最後まで残ってくれたのがこの人、名前は英語で読み方がわからなかったがギルドに参加して欲しいとのことで俺はギルマスに会いに行く事になった。


「初めまし…え?」


「どうなさいましたか?虹笛殿」


言ってなかったが俺のニックネームは“虹笛”

好きなアニメから取ってアレンジした名前でこのゲームをやっていた。

そしてこの丁寧な喋り方をするプレイヤーの名は“シロミル”始めて2日の俺でもわかる圧倒的強者感を醸し出しているご老人だ。

ご老人と言ってもアバターだが、整った髪で白髪にスーツ、ガタイの良い体に喋り方、まさに凄腕の執事といったところだろうか。

そんな事よりも初めて出会って驚いた理由はその人物の名前に心当たりがあるからだ。

“シロミル”おそらくこのゲームでランキングを見た事があるプレイヤーなら始めて数分であっても目にする名前だろう。

全サーバーランキング2位に位置するプレイヤーだ。

ちなみに1位は2位であるシロミルさんとの戦力は一桁違う化け物クラスで名前は氷結鬼と言った。

氷結鬼(ヒョウケツキ)アバターは知らないがおそらく氷属性の雰囲気を醸し出しているのだろうと予想している。


「初めまして、虹笛殿。本日はどのようなご用件で…?」


「あぁ、初めまして。シロミルさん、ところで俺の事はご存知ありませんか?」


「おや?ランカーの方とは思えませんが…」


「あれれ?おっかしいなぁ、先に伝えておくと言っていたはずなのですが…」


「その方は、ニックネームが英語の?」


「えぇ、そうです」


「あぁ、あの方ですか…少し厄介な話です。あの方のことはお忘れ下さい。それで?どのようなご用件でギルドマスターに?」


「あぁ、あの人に誘われてギルドに入りたいと言いに来たのですが、あの人もいないようですし…失礼しますね」


「お待ちくださ…」


「待ちなさい、始めて2日目のプレイヤー」


「おや正体を明かしてもよろしいのです?」


「構わないわ、どうせこの人はすぐに私を超えるでしょうからね…」


「あなたは…どちらさん?」


俺とシロミルさんの会話を割って入って来たやつがいた。

その見た目は水色と青、そして白色をメインとした冬っぽい服装に杖を持った幼い少女だったが俺はその強い口調に少し嫌気を差していた。


「あなた…シロミルの事は知っていて私の事は知らないわけ…?まぁ無理も無いわね。あなたは今この瞬間からギルドの一員よ」


「は?何を勝手に!!」


「ギルマス…それでは虹笛殿に迷惑では?」


「何を言っているの?シロミル、あの人は私を脅かす存在よ…。だから早いうちにギルドの一員にして縛っておかないと…」


「ですが、それでは…それにまだ彼は2日目ですよ?なぜあなたを脅かすと…?」


「あ、あの〜2人の話に割って入るような事はしたく無いんですけど…先に割って入ったのはあなたですし、良いですよね…?」


「何よ、言いたい事があるならはっきりと言うべきよ!」


「コソコソ話すならもう少し小さい声で話したほうが良いですよ!ギルマスとシロミルさん!」


「あ…聞かれてしまっていましたか。確かにこの方はギルマスを脅かす存在になりそうですな。ホッホッホ いや、失礼。この会話はプライベートチャットなのですよ虹笛殿」


「えーと…?つまり?」


「稀にいるのよ、この世界、運営すら情報を隠している、あるいは運営すら知らないのかはわからないけどゲームの設定を無視したチート能力を持つプレイヤーが」


「つまりあなたはキャラクターを作った際になんらかの突然変異を起こしてプライベートチャットを見えるようになってしまったと言う事ですな。それ以外にもおそらくは…」


「だから俺が危険なんですか?」


「詳しい事はシロミルから聞きなさい。私は忙しいのよ」


「ギルマスはリアルを大切にしている方ですから、ここからは私が…」


こうして俺はシロミルさんからいろんな話を聞く事になった。

まずこのギルドは全サーバー1位の戦力を持つギルドで名前は『氷のクリスタル』ギルマスことギルドマスターはもちろん氷結鬼さんでシロミルさんはギルドNo.2であり全サーバーランキング2でもあると言う化け物同士で結成したギルドらしい。

元々2人は初心者の頃に一緒にダンジョン攻略をする相棒的な存在だったのだが強くなるにつれて主従関係を2人の間で作ったと話してくれた。

つまり最強のプレイヤーである氷結鬼さんがギルドを立ち上げてからメンバーになったのではなく古い仲であると言う事だ。

氷結鬼さんはリアルを大切にしているのにどうして強いのかと言う質問に対しては「リアルがない私がギルマスのアカウントをお借りしてレベリングをしたり装備品を集めたりしているんですよ。あとこう言った情報は全て幹部すら知らないので他言無用ですよ」と返された。

他にも色々と聞きたい事はあったが重要なことだけを聞く事にした。

まず一つ目は『どうして俺にそんな話をしたのか』と言う質問だったのだが答えは簡単でこう言う幹部すら知らない裏情報であっても俺の能力であればすぐに知る事ができてしまう事とシロミルさんとギルマスしか知らない情報を教える事でギルドへの忠誠心を固くする効果がどうたらと言っていた。

後は俺の今後のギルドメンバーとしての立ち回り方だったのだが、俺は正式にギルドメンバーになったと言うわけではなくて俺の存在は幹部や他のメンバーに隠す為に無所属としてギルマスやシロミルさんと関わる事になった。

そのせいでギルド事のイベントに表立って参加する事はできないが、裏で2人の護衛などを任される事になった。

後に起こるギルド同士の抗争などでの立場は臨時雇いのプレイヤーであるとされた。


「うーむ…困りましたな」


「どうかなさいましたか?」


「そうですね、虹笛殿は少しレベルと戦力が低く、始めたばかりとは言えもしもの時のことを考えると少し危険かと思いまして」


「と言うと?」


「簡単に言うとあなたは未熟過ぎると言うことですよ。ご存知の通り、このゲームでは他のプレイヤーにキルされた時、アバターが消滅し、全てが台無しになってしまう。それこそ課金をしてアバターを増やす事はできますが、それは我々も最終手段ですので」


「なるほど…つまり俺は弱いくせに特殊能力を持っている厄介者って訳か」


「そうですな。ここであなたを殺して特殊能力ごと消してしまうって言うのもありでしたが、そうなるとギルドの名前に泥を塗る事になりますし…」


「なら俺、他のサーバー行きましょうか?それとも…自害して最初からやり直すとか?」


「なにも、私共のためにそこまでしていただく必要はございませんよ。それに、ここまで言ってしまった以上、私も何かしらの策を考えなくてはなりませんしな」


「俺が強くなる。それでどうです?」


「その言葉…私とギルマスの前で言うのは御法度ですぞ?」


「なぜです?“強くなりたい”これはどのゲームにおいても皆共通の言葉でしょう?」


「なるほど…私が思っていたよりもあなたは無知だ。このゲームで強くなれるのは金を持っている者か支援者がいる者、それ以外はほとんど強くなれません」


「でもこのギルドには特殊部隊とかあるわけで…それなりに強い人揃いなんじゃ」


「特殊部隊ですか…誰からその話を聞いたのかはあえて聞きませんが、うちの特殊部隊に強いプレイヤーなんていませんよ。実質2人しか強いプレイヤーはいません」


「それならどうすれば…」


「このゲームに命を賭ける事ができますか」


「そうですね…命と言うのはどこまで?」


「全てですよ。全て」


『たかがゲームに命を含む全てを賭ける事ができるのか』そんな質問をされた時、どう答えるのが正解なのだろうか。

普通の人なら「たかがゲームですし、命をかけると言うことまでは…」とか言って断るのだろう。

だがこのシロミルさんは本気でそれを聞いている。

この本気の質問に俺はどう答えるべきか迷っていた。


「シロミル、緊急よ…」


「どうなさいましたか、ギルマス」


「もうギルドの時代は終わりかも知れないわね、今は個人戦を強いられる時が来たのよ」


「と、言いますと…」


「いつもはすぐに勘付くのに今日は随分と鈍いわね…何かあったの?」


「いえ、特に何も」


「まぁ良いわ…今のあなたに相談しても良い回答は返ってこなさそうだし、そこの虹笛からも良い回答は返ってこなさそうだし」


「すみませんギルマス」


「誠に申し訳ございません。ギルマス」


「良いのよ、それより、私は今この瞬間からギルドを解散するつもりよ…」


「そのような事をしては、あなたはゲーム全体のプレイヤーから狙われる事になります!それにうちの幹部連中も…居場所を失ってギルマスを狙う事になるのですよ?」


「もう敬語、やめて良いわよ。私とあなたの間に主従関係は無くなった」


「いえ、例えギルドが解散しようとも…私はあなたと共に…」


「これは踏み絵よ。もしあなたがギルドの解散をしたく無いのであれば私をこのギルドからキックしなさい。そしてあなたがギルドを解散しても良いなら、わかるでしょ?」


「解散しても良いなら…解散のボタンを押せば良いのですね…ポチッ」


「流石ね…決断の早い事…それはそうとあなたはどうする?虹笛」


「えっと…?状況がついてこないのですが」


「虹笛殿、これから私共は姿を消します。私の意見を言うのであればあなたにもご同行願いたく存じます」


「ギルドは解散したんですか?」


「ええ、解散したわ。これからは個人戦の時代なのよ?って言ってもわからないと思うけれどね」


「確かに。わかりませんが…シロミルさんこれがあなた達が仕組んだ事であれば俺は踊らされる事になりますね」


「と言う事は…ついてきてくれるって事になるのですね…」


「あなた…本当に行っているの?リアルないわけ?」


「ギルマス…いや、氷結鬼さん、自慢じゃないけど俺もリアルないんだ。ニッコリ」


「あなた達ね…私も言っておくべきね。プライドなんて今更よね」


「氷結鬼…?良いの?今までそれで作っていた自分を捨てても」


「良いのよシロミル、虹笛さん。私も実はリアルないから。テヘッ」


「なんだよ、ふはは。俺たちみんなリアルないのか!なら今日から俺たちは家族だな」


「そうね、家族共々地の果てで暮らしましょう」


「そうだね氷結鬼、虹笛」


この状況を簡単に説明すると全サーバーランキング1位のギルド『氷のクリスタル』は解散された。

それでもランキングに居座り続ける2人はギルドという壁に守られなくなった今、他のプレイヤーから標的にされる事になった。

理由は単純で強いプレイヤーを倒す事ができたと言う自慢ができると言う事と2人の持ち物はかなり高価な物だったからだ。

ギルド解散と同時に俺とシロミルさん、氷結鬼さんはなぜか家族となった。

これからの俺たちは家族として支え合って行くのだと思う。


「虹笛、アイテムボックスを見てくれ」


「急に馴れ馴れしくなったなシロミル、そのキャラのが馴染みやすくて良いと思うけど。でアイテムボックスか?なになに」


「シロミル?」


「えっ!?えぇぇぇぇぇ!!何これ?」


「そんな驚き方しておいて知らないのね」


「それを簡単に説明するとドーピング剤だよ効果は1週間、それを使うと1週間経験値が大量に手に入るんだ」


「シロミル、あなたは虹笛に何も教えないつもり?」


「いや、これから教えるところだ。このゲームはレベルの概念があまり必要じゃないと思われているけど、かなり重要でレベルが高いとそれだけ装備の効果を引き出せるんだ」


「えっと…?」


「つまりランカークラスの人間しか知らない情報だよ…と言っても引き出せる力は微々たるものだけど、生きて行く上で必要」


「よし!ポーション使った?」


「急だな氷結鬼…今使って良いって事?」


「もちろん!使ったらダンジョン行くよ」


こうして俺と氷結鬼、シロミルはこのゲーム内で正式に家族となった。

名前は『氷結一家』ギルドでもなんでもない“家族”と言うシステムだ。

家族になったからと言って何かが変わる事は無いのだが、家族になるとアカウントの共有やアイテム倉庫の共有ができるようになる。

こうしてシロミルさんにアカウントを共有してダンジョンに行く事になった。


あれから1週間が経った。

たった1週間の間に何度死にかけた事か、氷結一家の2人はランカーなので命を狙われる事が当たり前なのだが、今まではギルドの壁に守られていたもののその壁がなくなった今より一層の刺客を相手にする事になっていたのだ。

もちろん2人はあっさりと刺客を倒していったので大した事は無かった。

1週間、リアルの時間での1週間は3人ともほとんど寝ずにレベルを上げた結果シロミルのレベルは一万を超え、氷結鬼のレベルは相変わらずの化け物っぷりでこの時点で三万レベルに達していた。

シロミルから特別なアイテムを貰った俺はと言うとレベル二万を超えてシロミルを簡単に越してしまっていた。

この頃になると着けている装備品もかなり上質な物で、この頃には刺客が近づくだけで低レベルの刺客はあっさりと死んでいった。

そして俺たちは新たな伝説を生み出すと同時にゲーム内では『氷結一家には近づくな』なんて言われるようにもなっていた。


「お疲れ〜長かったねぇ1週間!」


「本当お疲れ様〜、ありがとうね私たちのわがまま聞いてくれて」


「大丈夫だよ!俺も久しぶりに“仲間”って呼べる人たちができて楽しかったし」


「そう言ってくれると罪悪感とか無くなって助かるよ!ほんと!ってそれよりシロミルはどうしたのかしら?」


「おっと…ごめんごめんお疲れ〜」


「どうしてたの?寝落ち?まさかね」


「あぁ、ちょっとね」


「ちょっとってなんだよ!言えば良いのに」


「そうだな、氷結一家には近づくな」


「ねぇ…それちょっと傷つくからやめて」


「だから言いたく無かったんだよ」


「それで?それがどうしたって?」


「いや…だからネットとかこのゲームで『氷結一家に近づくな』って言われてるから、ここまできたらもう良いよねって感じで…すまない!本当に申し訳ない!勝手な行動を」


「何をやったの?そんなに謝って…」


「氷結一家はこのゲーム最強のプレイヤー組織であり、表向きには出ていないプレイヤーも存在すると発表したんだ」


「え…何をやって…」


「え?なに、そんな事?」


「なぜそんな事をしたの?」


「それは…このゲームは俺の人生みたいな物だからさ、ちょっとした情報操作だよ」


「でも良いんじゃ無い?今ネットを見たらみんな疑心暗鬼になってギルド解散したりしてるし、シロミルがやった事は結果的に私達にとって良い結果をもたらしたと思うの」


「確かにな、組織的に命狙われるんじゃ安心して夜も寝れやしないしな」


「て事は…許してくれるのか?2人とも」


「俺は許す!最初から相談してくれれば手伝ったのに」


「そうね、でも良い事を思いついたわ」


「良い事ってのは?」


「なんだ?」


「私達3人でまた新しいギルドを作りましょう?」


「え?」


「えぇ!?」


「まぁ、前みたいな事は起こしたく無いからあれとかこれとか用意してさ」


「確かにそれなら…」


「それなら悪く無いな」


こうして俺たちは新しいギルドを作る事にした。

氷結鬼が言うにはこの世界には一種類に付き一つしか存在しないミシカルアイテムが存在するらしく、そのアイテムをいくつか集めれば氷結鬼しか知らないギルド解散の理由を再び起こす事なくギルドを作る事ができると言う話だった。

それは後に俺たちを苦しめる提案となるのだが“良い事を思いついた”と言った彼女の目は輝いていて、大変な思いをすると分かっていてもそれを実現させるしか無かった。


俺たちの冒険と挑戦はまだまだ続く…


1話『最初の1週間』END


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初めまして“恥じるかペンを握るか”と申します。


この度は『世界最強のあなたと俺では釣り合いが取れません!』1話をご覧頂きありがとうございます。

今回はキリの良いところで終わりにしてしまいましたができる限り1話1万文字での投稿をしていく予定です。


最初の方はちゃんと小説を書いて行くつもりだったのですが、いつのまにか主人公と登場場人物に小説を乗っ取られてしまい、何の台本もなく描き始めた小説はいつのまにか主人公と他の登場人物が勝手に会話をしたり、勝手に話を進めて行ったりと言う形になってしましました。

今後もこう言った、最初はちゃんと書いてるのに途中から主人公目線だけで話が進むなどの事があるかも知れませんがそれが私の小説の書き方だと思ってくれると幸いです。


私自身、この物語の設定などを詳しく知らない上に、ギルド事などは氷結鬼が全て知っていてゲーム自体はシロミルが詳しくてその2人に振り回されたり着いて行ったりしているのが主人公の虹笛って感じになっていくと思います。

詳しい事は私にもわかりません!あとは本人達に任せましょう。


という事で本日は初めて書いた小説をご覧頂きありがとうございました!


2話をお楽しみに!!




















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