お父さん指
ラッキーじゃんそう(新作執筆中)(俳句)
第1話 よちよち歩き
『伊藤さん早くしてください。』
『25…26…!!』
朝、目を覚ました。今日はこれが昼でも、夜でもいけない。なんたって今日は待ちに待った転生先ルーレットがあるのだから!!
やったー!!最高ー!!!嬉しい。
この世界には転生先ルーレットなるものが存在している。20歳になると権利が与えられ、転生すれば、もうここには戻って来られない。
まだ魅力的に聞こえなくもないが、そんなに上手い話ならば、この世界にいる人間は相当な情報弱者だけに成り果ててしまう。
ことが起きない訳は期待値の低さにある。
滅多に当たらないSSRですら小金持ちの息子、他である。Nに至っては、カゲロウ等々…。
割に合わない!!!
正直言ってこのルーレットは人の生を楽しんでいるものはまず回さない。そのため、絶望の淵に立たされた人の最後のチャンスと人々には認識されている。
しかし、この容姿端麗、博覧強記の僕(なんでそんな奴が転生するのかは内緒)には燦然と輝く勝算がある。当たり前に。
「転生のゲートが開いてから30秒経った後、入らば即ちUR世界へと招かれん」
齢3歳にして、夢で出てきた台詞である。
疑いようのない天啓!!
神からの助言!!
虫の知らせ!!(違うか!!!!)
1人の友人でもいれば踏みとどまったかもしれないが、生憎いない。踏むのはアクセル!!
両親には子供の時分から転生すると言っていたためになんの愛情も注がれなかった。
なんと賢く、残酷で、素晴らしい両親を持ったのだろうか。少しのもったいぶりもなく。送り出してくれた。
時は満ちた。表面張力でギリである。
『……30!』
言い放つと同時にゲートへ入る。
意気揚々と入り、あたたかい光に包まれながらすぐに自分の過ちを悔いるのであった。
『ストップウォッチ忘れてた…』
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