第9話 推測:『カクヨム』のサイト設計の狙い

 カクヨムをご利用のみなさん、こんにちは。

この創作論の第6回でわたしは、「『カクヨム』と『小説家になろう』をUI面で比較」という内容を書きました。

今回はそれについて、もう少し深堀りしてみようと思います。


第6回では、UI(ユーザーインターフェース)に触れて、ユーザーの使いやすさを述べました。

カクヨムのサイト設計は、ユーザーが使いやすく感じることで、ユーザーの満足度が(UX)が高いとも説明しました。

Web制作側から見ても、『カクヨム』は素晴らしい設計です。


他のサイトと比較しても、SNSに似た構造に似ているとも説明しました。

SNSと似ている点は、作品のファンだけではなく作家にファンがつきやすいところです。

どうして、こういう設計にしたのかなー。

ここを突き詰めて考えていくと、わたしはひとつの推測にたどり着きました。


■ 作家よりも作品にファンがつく『小説家になろう』


まず最初に、比較材料として、かつて『小説家になろう』が一強だった頃を振り返ってみます。


読者数が多い作品は、感想も多いです。

少し前まで、『小説家になろう』の感想の入力画面には、「良い点」「気になる点」「一言」の区分がされていました。(現在は廃止されています)


 すると、作品に対する批判や問題点などが、結構遠慮なく投稿されてきました。

それによって、心を病んでしまう作家さんまでいたほどです。

わたしも、「読んでくれるのは嬉しいけれど、ちょっとキツイなぁ」と正直思っていました。

(そもそも、感想の数が少なかったから、わたしは参考になりませんが)

そのため、感想欄を閉じたり、あるいは感想の数だけ確認したりという作家さんもいます。


日本一の読者さんを持つ小説投稿サイト『小説家になろう』のWebサイトですが、読者と交流する感想欄の仕様が、かつては悪かったとしか言いようがありません。

また、作家同士の意見交換や、相談、アドバイスなどの交流は、わたしの知っている限り『小説家になろう』にはありません。


作品のPV数はものすごく高いのに、作家にはみなさん無関心なのが現実です。



■ 作品にも作家にもファンがつきやすい『カクヨム』


カクヨムのSNS的仕様は第6回で、説明した通りです。

ここで、時流は『カクヨム』に移りつつあります。

『小説家になろう』から『カクヨム』に移行する作家さんが増えてきました。


移行してきた作家さんによっては、あまりコメント欄を気にしていない方も多いのではないでしょうか。

まあ、書く時間を確保するためには、なかなかひとつひとつのコメントに返信する余裕が無いのだと思います。


もうひとつ、コメント欄を気にしない理由があります。

それは、『小説家になろう』のシステムに慣れている作家さんにとっては、作家さん同士の意見交換をするという発想がないのかもしれません。

※ 決して批判しているのではありません。スタイルは人それぞれです。


執筆というのは、孤独な作業です。

ひとりで行き詰ったりすることもあります。

そんな時に、救いになるのが読者さんからの、「応援コメント」です。

『カクヨム』さんが、コメントに「応援コメント」とネーミングしている点に注目してください。

なんです!

作家の心を折るようなコメントではなく、応援しようというコメントをいただくのは本当にモチベーションがあがります。


ヨムの方からも、カクの方からも、いただく応援コメントは本当に嬉しいです。

それがたった一言「面白かったです」だけだったとしても、涙が出るほど嬉しいものです。


こうして、作品のファンが増え、作家のファンが増えていく……

このサイト設計は素晴らしいと思います。


■ わたしの推測、将来の展望


『カクヨム』は、どうして作家にファンがつくサイト設計にしたのでしょうか。

ここからは、わたしの推測です。


カクのみなさんは、書籍化を夢見ていると思います。

わたしもそうです。


Web小説を書く方法として

作品を投稿する際には、とにかく分析です。

勝負するジャンル別のランキングを研究したり、日間、週間、月間のランキングを見て、人気の作品に多くつけられていたタグや単語、人気作品の構成や要素まで研究します。

早い話が、流行に乗るということです。

とにかく、読者の目に留まらなければ、読まれないわけですから。


それで、運よくランキング上位になって書籍化できたと仮定します。

あくまで、仮定です。

あれ? その先は、どうなるのだろうと、わたしはふと考えたんですね。


レーベル様としては、売れる作品を書いてもらわなければ、商品にならないわけです。

すると、一作目で人気を博したように、次作も流行に乗ったジャンルで書き続けなければならないのではないかと、わたしは不安に思ったのです。

わたしには無理だわ……


二作目、三作目、と書籍化するプロの作家さんは本当に素晴らしいです。

そういう作家さんは、すでにファンがたくさん付いていらっしゃいます。

ジャンルやワードに流行はあるとは思いますが、んですよね。

ここ、とても大事です。

テストにでますよーー。


ここに『カクヨム』のサイト設計の狙いがあるのではないでしょうか。


「流行の作品だからではなく、この作家さんだから読みたいんだ」

出版社としては、そう言われるような作家を育てたいのではないかと。


だから、SNS的だからといって、フォロー返しや、半強制的な読み合いなどもってのほかです。


わたしは、この作家さんだったら読みたいという人が2~3人います。

その方の、作品は必ず読みます。

もしも、その方の作品が書籍化されたら、絶対買います!

そう思わせる作家さんが増えたほうが、レーベル様もうれしいと思います。


昔から、小説家ってそういう存在なのじゃないかと思います。

作家は、エンターテーナーなんです。

ミュージシャンや漫画家、俳優さんと似ているのではないでしょうか。


以上、わたしの推測による『カクヨム』のサイト設計の狙いでした。



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