無意味な詩集
黒ノ時計
第1話 現実と虚構
私は昨夜、夢を見た。思い返すのも恐ろしい、とても残酷な現実を突きつけられる大人の私が飛び上がるほどに恐ろしい夢を。
だが、起きるまでそれを夢だと認識できなかった。起きてから夢だと分かるまで数秒、いや、数分、いやいや数時間とかかったやもしれない。
其方に問う、夢とは何なるや? 彼方に問う、現実とは何なるや?
今起きている時間が現実だと、一体誰が証明できるというのだろう? あの夢の世界こそが現実で、今を生きる世界こそ夢ではないかと感じたことはないか?
頭の中身を取り出して覗きでもしない限り、永遠に答えが出ることはないだろう。私が夢の中の私の景色を覗いているならば、もしかしたら夢の中の私も今の私の景色を覗いているのかもしれない。
人は夢を見るにもリズムがあり、我々が観ていた景色はきっと夢の中の私が歩むヘンテコな人生の一部だったのかもしれない。そう考えると、あちらの私も今見ている光景を夢として見ているのかもしれない。
夢とはいつ見ても恐ろしい。他人の人生があたかも自分の人生であるかのように錯覚させられるからだ。
努努、夢見が悪くならないよう早く寝ることだ。
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