復讐編I

「久しぶりの空だな…」

どうやらこの景色を見る限り俺はあのダンジョンから出てこれたみたいだ、ステータスを見るにおっさんと会って喋ったのはどうやらほんとのようだ、だいたいあそこには2ヶ月程居たみたいだ

「これからどうしようか」

王からこの世界について貰った情報は300年前から150年前の情報だ、今の最新の情報がない俺はどうする事も出来ない

今俺が持ってる情報はこの世界は人間国 魔人国 魔国 天使国 の4つがある。そのうちの人間国の中の小さな都市で俺らは転移を受けた、つまりあの王女は人間国内での地域は四大都市の中で3番目に強いということだ

「あんな強い王女も人間国の中ですら弱い方なのか…」

王の情報曰く国の強さは天使国→魔国→魔人国→人間国みたいだ

「あいつに復讐するにしてもその後だよな…」

今の俺ならあの王女にも勝てる、だがその後他の人間国の王相手に勝てるかは正直分からない、

「修行するにしてもなぁー、王は1人弟子が居るって言ってたけどそれもどこに居るのかも分からないし…」

どうしたんもか、

「なんだ!?」

凄い魔力を感じる、ダンジョンで戦った王と並ぶレベルの何かが近くに来てる、

「一体なんなんだ?」

少しだが見覚えのある魔力だ、あれはあの王の配下の人形のような魔力に似てる、だがあれとは魔力の量が別格だ

ドン!!

激しい音を立てて2人は着地した

「あんたら誰だ?」

<身体強化>

俺はいつでも戦える様にスタンバイしておく事にした

「我が王よダンジョン攻略お疲れ様でした、お会いできて光栄です」

2人は同時にそう言った

戦う意思はないのか、?

高い魔力は感じるが敵意は感じない、なんなら忠誠心すら感じる、一体なぜだ?

「なんで俺の前に現れた?」

「それはですね、あなたが今の私たちの王だからです」

魔法使いの服装をした女がそう答えた

「王?俺は確かにダンジョンはクリアしたが王になった記憶はないぞ?」

「それは貴方様がユニークスキル<選ばれし者>の継承者だからだ。そして貴方様は先代王に認められた。」

剣士の服装をした女がそう答えた

選ばれし者ってそう言う事なのか?つまりこいつらの言う王ってのはあのおっさんの事か、まて、まさかこいつらの正体って…

「お前らってもしかしてあのダンジョンに居た剣士と魔法使いか??」

「はい、そうです、ですが少し違います」

「どう違うんだ?」

「あのダンジョンに居たのは私達が作った人形です」

なるほど、だから見覚えのある魔力だったのか

人形だったならオリジナルのこの2人の高い魔力量にも納得がいく。

「理解した、お前らの事はなんて呼んだらいいんだ?」

「私の事はサーヤとお呼びください」

「分かった、サーヤと呼ぶ、もう1人の方は?」

「私の事はアリサと呼んでくれ我が王よ」

「」

魔法使いの方がサーヤで剣士の方がアリサか、それにしてもこの2人魔力がやけに似てる

「もしかしてだがサーヤとアリサは姉妹なのか?」

「はい、王よ私サーヤが姉でアリサは私の妹です」

やっぱりそうだ、やけに魔力が似てる訳だ

「さすがだな我が王、すぐに見破るなんて」

「いや見破るって事の程でもないだろ…」

ただ姉妹って事を当てただけでこんなに褒められると調子が狂う。

「2人はなんで俺が出てくるタイミングが分かったんだ」

「それはですね、貴方様が私達2人の人形を倒した後先代王の人形を倒すとそれが私に伝わるのです」

サーヤはそう答えた

「なるほどな、疑問なんだが2人が従ってのはあくまで先代王なんだろ?幾ら俺がスキルを受け継いで王から託されても2人が従う理由はならないんじゃないか?」

「それは違うぞ王よ、あのダンジョンをクリアする事が出来る力も大事だが何よりも大事なのはあの王が自分の全て託すという事だ、あの時代私達の仲間は王勢居た、その中で未来のあなたに託したんだ、それが私達が従う理由だ」

未来?今未来って言ったか?

「待ってくれ、未来ってどういう事だ?」

「先代王は未来を見る力をお持ちになっていましたですが、どう言う物なのかは私には分かりません、」

未来を見る力か…そんな力があれば自分でどうにかできたんじゃないのか?

「とりあえずなんで2人が俺に従うのかは分かった、王の願いを叶える前に俺はその前に復讐をする、これは俺の私情だ、2人を巻き込めない」

幾ら俺の配下だって言っても2人には関係の無い事だ

「それは無理な相談だ、私達は王が転移されてくる前の50年前から復活し、見てきたがあの王女には勝てるが1人では人間国全体と戦っても勝ち目はない」

「やっぱり俺一人じゃ無理なのか?」

それについては薄々俺も感じていた、あの王女を殺した後他の都市の人間までを1人で倒すのは無理そうだと思っていた。だが巻き込む訳には…

「私達は貴方様の仲間であり配下です、役に立たせてください」

仲間か、久しぶりに聞いたな

俺はその響きに少し感動してしまった

仲間なんて言われたのはいつぶりだろう、その時俺は小さい時に仲が良かった女の子を思い出した、だが行方不明になって消えてしまった

「分かった、そこまで言うなら手伝ってくれ」

「もちろんです」「もちろんだ」

「2人は王が俺に情報をくれたみたいに俺に情報を与える事は出来るのか?」

「私は魔法の事はさっぱりだが、ねーさんならできるぜ」

「そうなのかサーヤ?」

「えぇ、可能です王よ、」

「それじゃあ頼む、」

「<譲渡>」

サーヤは俺の頭に触れスキルを使った、

その直後俺の脳内には50年分の情報が流れ込んできた

「なるほど、ありがとうサーヤ」

色々な事がわかった、まず人間国の都市は小さい順にイスランド→ウェルブンド→コース→首都グリニッジだ俺が転移した先であり王女のいる都市はウェルブンドだ、ウェルブンドだけは特殊で王は居るものの王より王女の方が強く実質的に実権を握ってるのはあの王女のようだ

「ここからウェルブンドはどれくらいの距離がある?」

どうやら俺は人間国の中でも端の方に飛ばされたようだ

「<飛行>を使い移動すると大体3日程です」

3日か…俺には急がないと行けない理由があるそれはもうそろそろ始まる人間国内での戦争で同じクラスのあいつらが戦争に出ることだ、別に死んでもらっても構わないやつもいるが、あの中には今後必要となる奴らが多い

「2日でいくぞ」

「分かりました」「わかった」

2人はそう答えた

それにしてもあいつら今頃何してるんだろう

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