第6話 生徒会改革

文化祭の余韻が心地よく漂う校内で、青波さんは少し緊張しながらも副会長代理としての務めを果たすべく、生徒会室へと足を運んでいた。廊下を歩く彼女にクラスメイトたちは声をかける。「生徒会、頑張ってね!」その明るい応援の言葉に背中を押され、青波さんは自信を少しずつ取り戻していった。


道すがら、彼女は放課後の友達との約束を思い出し、ふと心が弾む。今日は友達と遊びに行く予定がある。生徒会での責任をしっかり果たしながらも、遊びの時間も忘れず楽しみたいという決意が心の中で固まる。


生徒会室に到着すると、会長と副会長がすでに議題について話し合っていた。青波さんは少し緊張しつつも、その場の空気にすっと馴染み、自分の考えを整理する。先輩たちの発言を聞きながら、自分も何か提案できるかもしれない、と感じ始めたのだ。


会議が進む中、青波さんはタイミングを見計らって口を開いた。「学校行事に関して、もっとみんなの意見を聞く場を設けてはどうでしょうか?例えば、各クラスの代表者を集めて、定期的に意見交換をする会を開くというのはどうですか?」


一瞬の静寂が生徒会室を包む。しかし、次の瞬間、副会長が柔らかい表情でうなずき、「それはいいアイデアだね」と賛同の声をあげた。他のメンバーも興味深そうに彼女の提案を聞き入れ、青波さんは内心ホッとした。自分の意見がちゃんと受け入れられたという実感が、次第に自信を育んでいく。


会議が終わると、青波さんは友達との約束に遅れないよう、急いで教室へと戻った。「どうだった?生徒会はうまくいった?」と待ち構えていた友達が尋ねると、青波さんはほっとした表情で答える。「思ったよりいい感じだったよ。これから、もっとクラスのみんなの意見を届けられるように頑張るね!」その笑顔には、責任を果たしながらも友達との時間を大切にしようという強い意志が宿っていた。


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