ボッチな高校生がダンジョンに落ちちゃった!?

井原そうすけ

第1話

「うわあぁぁっ………っ! 痛ったい!!」


 僕、白藤貴則は登校中に大きな"穴"に落ちてしまった。

 いつもの登校コースに、こんな大きな"穴"なんて昨日までは無かったのに…いつの間に出来たんだろう? 工事中なら看板くらい立てて置いて欲しかった。というか、普通は立てておくべきだろうに…工事会社の怠慢だ!!

 一人で憤慨するものの、上を見上げてみても地上の光りは全く見えない。


「どんだけ深いんだよ?」


 地下鉄よりも深い場所に落ちたのだろう。

 にしてはなんだか明るい。


「通路っぽいけど…新しい地下鉄路線か?」


 前も後ろも同じ通路で線路もない。どっちに行けば出口に辿り着けるのか分からない。


「どうするかな…フフフっ」


 どっちに行こうか迷っていたら、急にとんでもない事を思いついて、つい笑ってしまった。

 その"とんでもない事"とは、ココが地下鉄路線なんかじゃなくて、"ダンジョンの通路"かも知れないという本当に有り得ないバカな思いつきだった。


「まあ、ダメで…っていうか、有り得ないけど、物は試しだから…『ステータス・オープン』…って、マジで!?」


 なんと目の前に半透明なボードが見えた。


「コレって、ステータスボード…だよな?」


『ステータス


 名前:白藤貴則

 種族:人間族・日本人

 性別:男

 年齢:17歳

 LV:1

 称号:ダンジョンに落ちた者

 HP:570/570

 MP:2500/2500

 属性:風魔法LV・1(風弾・風刃)

    土魔法LV・1(石弾・土壁)

    光魔法LV・1(回復・結界)

    無魔法LV・1(身体強化)

    雷魔法LV・1(放電・電撃)

    生活魔法LV・1(火・水・風・光)

 固有:鑑定LV・1

    収納LV・1

    言語理解翻訳LV・1

    闘氣術LV・1

 武術:剣道LV・2

    柔道LV・1

    空手LV・1

 武器:太刀1本 脇差1本 小刀1本

 防具:鎖籠手1個

    鎖脛当1個

    鎖鉢巻1本

 薬品:HPポーション5本

    MPポーション5本

    解毒ポーション5本       』


「マジで?」


 なんと本当に『ステータス』が…。


「って事は、ココはマジでダンジョン!?」


 うっわ−…マジかよ?

 マジなんだろうなぁ。

 だって、いつの間にか足元に太刀と脇差、小刀、鎖籠手、鎖脛当、鎖鉢巻、各種ポーションが置いてあった。


「取り敢えず、ポーションは"収納"して…ってマジで消えた!?」


 ポーションを"収納"しようとしたら、本当に収納できてしまった。そして頭の中にポーション類が収納してある事が浮かんだ。


「HPポーション"取り出し"」


 掌にポーションの小瓶が現れた。


「凄え! マジで収納魔法だ!!」


 でも、何kg収納できるんだ?


「収納限界……ふむふむ…へえ!」


 なんと、MP10で1kgを収納できるみたいだ。但し、初めから収納してある物はMPが減っても収納し続ける事ができる、か。


「コレはまた、なんとも便利なものだな」


 太刀、脇差、小刀をベルトに差して、鎖籠手、鎖脛当、鎖鉢巻を身に着けると、適当に前へ向かって歩き始めた。

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