洗いたての天地ある如涼新た
前回に引き続き、新涼で一句。
朝の空気の中に涼しさが感じられる頃になって、世界の見え方が違ってきた。
夏のあいだ黄色くギラギラしていた太陽は爽やかな青白い光を帯びてくるし、山も黒々とするほど濃かった木々の緑が少し落ち着いて、明るくくっきりしだす。
何より空の色が違う。
真夏の空には、限りない熱力学が渦巻いていて、そこかしこで湧き上がる水蒸気に、いつもけぶって見えていた。どこか薄汚れた感じさえする、曖昧な水色。夏空って、こんなにぼんやりしたものだったっけ?温暖化で暑くなったせい?もしかしたらその暑さにやられている、自分の頭がぼんやりしているせい?
それが秋の空気が空全体に流れ込んでくるような頃になると、どうだろう。青空ってのはこうじゃなくちゃね!っていうぐらい深くて清澄な、青。透明なその空間に、白い雲がくっきり浮かぶ。
地上にあるものも、朝露が汚れを落としていったみたいに、何もかもピカピカ。
季節が動き出す瞬間を感じるときの気持ちって、どうしてこんなに新鮮なんだろう。いつか神様に会えることがあったら、訊いてみたい。
洗いたての天地ある如涼新た
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