第10話

優海と黒河の朗読の会は、人気が出るにつれて新しい企画を取り入れることに。質問コーナーやリクエストに応じて、自由なスタイルで進行することが多くなった。


優海 「今日は特別企画!リクエストあれば、何でも言ってね!」


黒河 「歌や冗談も大歓迎!みんなのリクエストを待ってるよ!」



放送室は学校の一角にひっそりとある、少し狭い空間だった。壁は白く、所々に薄い色の木材が使われていて、どこか懐かしい雰囲気を醸し出していた。天井にはいくつかの蛍光灯が光っており、時折チリチリと音を立てて、静かな空間に響いていた。机の上にはマイクと、古びた音響機器が並んでいて、放送室の担当者だけが知っている操作方法でしっかりとセットされている。



その一角には、放送用のスピーカーが天井に取り付けられ、校内のあらゆる場所に音声が届くようになっている。椅子に座った三菜は、そのマイクに向かって軽く話しかけるだけで、彼女の声が一気に校内全体に響き渡るのだ。窓の外には、少し曇った空と校庭が見え、風に揺れる木の葉の音が遠くからかすかに聞こえる。



三菜は、放送室の中でマイクの前に座り、手元のメモを軽く見ながら、リスナーに向けて話し始める。少し音を気にしながら、放送機器の調整を行うその姿は、まるでプロのラジオDJのようだった。



机の横には、リクエストのメモが山積みになっていて、色とりどりの紙が目に入る。どれもが生徒たちからのリクエストで、誰かの笑顔や思い出が詰まっているような気がして、三菜はちょっとした誇りを感じていた。



三菜はまるでラジオのDJのようにリクエストを受け付け、楽しい会話を交えながら朗読を続ける。昼休みの一時間は、クラスメートたちの心のリフレッシュタイムとなっていた。



三菜 「次のリクエストは…これ、面白いことを言ってほしいって!」


生徒たち (笑いながら)「三菜の冗談、楽しみ!」


三菜 「それでは、リクエストにお答えして…冗談を言いますね!」


(ちょっと間を取ってから)


三菜 「もしもさ、テストの答案に『もっと頑張れ』って書いたら…絶対先生に怒られるよね!だって、絶対、『頑張るって何だよ!』って突っ込まれるもん!『この問題を解けって言ってんのに、なんでお前が頑張れって言うんだよ!』って!」


(間を取って、にやりと)


三菜 「でも、正直、先生が『頑張れ!』って言ってくれるだけで、なんかちょっとやる気出ちゃうよね。うん、次のテスト頑張ろう…って、あれ、無駄にポジティブになっちゃったかも!」




そんなある日、優海は放送を録音している友達から、「この放送、誰かに聞かせてみるべきだ!」と言われる。彼女たちはドキドキしながらも、録音したものを少しだけインターネットに投稿してみることにした。


黒河 「これ、ちゃんとしたスタジオで録音してみたいね。」


優海 「私たちの声、どれだけ伝わるかな?」



数日後、放送を聴いたネットの住民が三菜の声に感動し、FM局の関係者に紹介してくれた。三菜たちは、スタジオに遊びに来ないかというお誘いを受けた。


三菜 「えっ、本当に?FM局に行けるなんて、夢みたい…!」


優海 「私たち、どんなことをするのかな?緊張するけど、楽しみだね!」



三菜と優海、黒河の三人は、ついにFM局のスタジオを訪れる。そこにはプロのスタッフがいて、緊張しながらも期待で胸が膨らむ。


スタッフ 「あなたたちの声、素晴らしいですね。是非、一緒に何かやってみませんか?」


三菜 「私たち、頑張ります!」




これをきっかけに、彼女たちはプロの世界での新たな挑戦が始まる。放送活動の幅が広がり、三菜はさらに自信を持つようになる。


三菜 「こんな素敵な機会をもらえるなんて…もっと頑張らなきゃ!」


優海 「私たち、ずっと応援するからね!」

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