澄美怜の深い内面と、彼女が抱える過去の出来事や心の闇が描かれていて、非常に印象的でした。特に、「消えたい衝動」や「氷の悪夢」に悩む彼女の心情には切実さがあり、ただ単に家族愛や幼い頃の憧れとして兄や百合愛さんに思いを寄せているのではなく、そこには澄美怜の抱える孤独や自己否定のようなものも感じられます。
百合愛さんとの回想シーンでは、澄美怜が無意識に彼女を理想とし、その姿を真似ていった様子が非常に切ないです。百合愛さんの気配りや優しさが澄美怜に与えた影響は深く、彼女にとっては理想の姉であり、自分の本当の姿に自信が持てないために憧れ続ける存在だったのでしょう。その純粋な憧れが、兄に対する淡い嫉妬を生み出す瞬間もまた、澄美怜が心の成長過程で感じたものであり、共感を覚えました。
また、ラストで描かれる「氷の悪夢」が象徴的で、澄美怜の心の奥底に潜む不安や自己破壊衝動を具現化したかのようでした。この悪夢が彼女にとってただの恐怖の対象であるだけでなく、彼女自身の心の闇や抑えきれない感情に直結しているようで、読者としても心が痛みます。特に、その悪夢が兄との繋がりによって和らいでいくというのは、澄美怜にとって兄がただの「好きな人」ではなく、彼女の精神的な支えであることを強調していて、物語の中でも大きな意味を持っていると感じます。
総じて、澄美怜が抱える葛藤や孤独感、そして兄や百合愛さんとの過去の記憶が非常に丁寧に描かれていて、彼女の感情がよりリアルに伝わってきました。この第9話を通して、澄美怜のキャラクターが一層深まり、彼女が心の闇から抜け出すためには何が必要なのか、これからの展開がとても気になります。
作者からの返信
朝霧巡さま! こちらもコメント有り難うございます。
>ただ単に家族愛や幼い頃の憧れとして兄や百合愛さんに思いを寄せているのではなく、そこには澄美怜の抱える孤独や自己否定のようなものも感じられます。
→このご指摘を正確な言葉として表されるその才能に敬服します。読み進めるにしたがい、その的確さにご自身が驚かれるかも知れません。
>その純粋な憧れが、兄に対する淡い嫉妬を生み出す瞬間もまた、澄美怜が心の成長過程で感じたものであり、共感を覚えました。
→この辺りの幼い澄美怜の心の動きまで共感頂き有り難うございます。澄美怜が初めて『取られたらいやだ』と思った瞬間がこれです。澄美怜の原点となる『あの日の約束』がこうした想いを生んでいて、暫く後に明確に描かれます。
>澄美怜にとって兄がただの「好きな人」ではなく、彼女の精神的な支えであることを強調していて、物語の中でも大きな意味を持っていると感じます。
→それを感じて頂き安心出来ました。この一大テーマが物語の核心となって行きます。その為、この後徐々に一般的な兄妹恋愛ものと大きく異なって行きます。
ご丁寧な感想、有り難うございました。
>「スンスン……はう~、癒されるぅ~……って、こんな変態な妹でゴメンナサイ……」
(。-`ω-)そうですよ、もっと反省しまっし。
コミカルな感じの始まりだったので、今回のお話も和ませてくれるのかなぁ~
と思わせといて、途中からシリアスな展開。うんうん、どうなるんだろう。(ΦωΦ)ごくり・・
『氷の悪夢ナイトメア』
何かの原因や精神的なことから起こる不安障害のようなものなのでしょうね。
私もピアノを習っている頃はよくありました。
普通は嬉しいはずのことが、考えると胸が締め付けられ過呼吸のような感じになるんですよね。
私の場合だと、家族が見に来てくれる発表会は嬉しくて眠れなかったのに対し
コンクールは審査員がいるので、妙に前日から緊張して違う意味で一睡も出来なかったことを覚えています。
そんな時は、植物や花の匂いをかぐと不思議と気持ちが落ち着いていました。
だからなのか、小学生の時に書いた将来の夢は、お花屋さん。
いま思えば、現実とかけ離れているので、ちょっと複雑な心境ではあります。
でもまあ、こうして今回のお話を読んでいて、澄美怜ちゃんの匂い癖は、こうした経緯からの行動だったんだぁ~。
と、妙に共感して納得することができました。
けど、私は変態じゃありませんよ、へんたいではね。(。•ω- 。) ⌒♡
作者からの返信
みゆきさん! 楽しいコメントありがとうございます!
>(。-`ω-)そうですよ、もっと反省しまっし。
→はいっ! もっと叱ってやってください! 流石に枕カバーを入れ替えられてたら引きますよね。バレないようににわざわざ周到にお揃いのデザインにしているところもコワイの一言かと。
(||゚Д゚)ヒィィ-
でもこの物語の核心と結果を知った後、どの様な意見になっているか……それが見てみたくてこの問題作?をアップしたようなものなので……
>『氷の悪夢』何かの原因や精神的なことから起こる不安障害のようなものなのでしょうね。
→正に今回の核心です。概ねは中盤に明かされますが、そこからが色々有ります。
>私もピアノを習っている頃はよくありました。普通は嬉しいはずのことが、考えると胸が締め付けられ過呼吸のような感じになるんですよね。
→なるほどコンクールと発表会でそんなにも違うんですね。自分など、どっちもガチガチに緊張しそう……w
けどコンクールに出れるということは相当な腕前……youtubeのオリジナル曲を消されてしまったのが残念。聞いてみたかったぁ~。
>そんな時は、植物や花の匂いをかぐと不思議と気持ちが落ち着いていました。だからなのか、小学生の時に書いた将来の夢は、お花屋さん。
→お花屋さん、可愛いデスネ! 花の香りで落ち着きを取り戻す少女……絵になりそう。でもやっぱりみゆきさんにとっても嗅覚って大事なんですね。
そう言えば、人は聴覚や視覚を失っても生きられるけど、嗅覚が失なわれると短命で終わると聞いたことが有ります。最も原初の感覚として非常に根元的で重要な物らしいです。
>でもまあ、……読んでいて、澄美怜ちゃんの匂い癖は、こうした経緯からの……と、妙に共感して納得することができました。
→ 澄美怜~! こんなキミが共感して貰えるなんて幸せ者だ~!
>けど、私は変態じゃありませんよ、へんたいではね。(。•ω- 。) ⌒♡
→ハ、ハイッ……そ、そうですね……(¯―¯٥)💦
悪夢って本当にきついですよね。
私も滝のような汗が流れるほど悪夢を見ていた時代があったので、澄美怜さんを見て思い出しました。
私の場合、日常で問題はなかったと思うんですが(汗)
お兄さんの枕があってよかったです。
作者からの返信
#zenさま。コメントありがとうございます!
そんな大変な時期が有ったのですか……奇遇ですね。
この悪夢、これが物語の最後まで付きまとう大きなテーマの一つとなっています。
>お兄さんの枕があってよかったです。
→ はい。でも#zenさまの小説の逆バージョンのスト―カーぶりですよねww
好対照で面白いですね。
コメントありがとうございました!