九頭龍の糸~ドラゴン拾ったら恋が始まった~

波蛇

一章

第1話 遠足の前日

4階建ての古めかしい校舎。

広めな中庭では男子高校生がランニングをしている。


一方、校舎裏にあるプールには茶髪のギャルたちが

キャーキャー言いながら、水の中で騒ぐ。


この学校には指定している水着はなく、いや本当はあるのかも知れないが

それぞれ、セクシーなビキニからスクール水着まで幅広くいた。

そこに3階校舎の窓から顔を出す青年がいる。

もちろん、彼の視線は1つ上3年生、学校中で憧れの生徒会会長を見つめている。


「今日もいい日だ…」


ここは〇県にある県立第三高等学校。


僕はここに通う男子高校生。

名前は、河上かわかみアキト。


中学校時代に、なぜか不良とは仲良くさせてもらい

一緒にバカ騒ぎをしていたら行ける高校が偏差値38の高校にしか行けなかった…。

英語はABCから学ぶし、勉強が苦手orしない人達が集まる高校に入学した。


校則はかなりゆるい。

指定する制服はあるが大半が着ていない。

僕は毎回選ぶのは面倒なんで制服で通ってるけどね。

制服は、ブレーザーだけど今は夏服。



学校は髪色は自由だし、ピアスなんて空いてるのが当たり前。

噂じゃあ、タトゥーが入ってる先輩もいるとか…。


僕自身は、髪色は黒。

左耳には1つ、ピアスを高校に入ってから開けた。

男は左耳につけろ!なんて同級生に言われて開けてあとから調べたら

右耳だと海外では同性愛者になるみたいだった。

別に気にはしてなかったが、今のところは僕は女性が好きだ。

だから、左耳を開けた。


ニヤニヤと窓からプールを見ていると


ポンっと頭を丸めた教科書で叩かれた。


「んだよ、先生」

「河上、聞いてるのか?明日は遠足だぞ」

「聞いてますよ」

「じゃぁ、どこへ行くか行ってみろ」

「箱根でしょ?」

「あぁ、そこは聞いてるんだな。何時に大通りに集合かわかるか?」

「10時でしたっけ?」

「おいおい、それじゃあ置いていかれるぞ。誰か河上に教えてやってくれ」


すると、後ろの席の木原きはらるなが手を挙げる。


「8時半に大通りに集合です」

「木原は優しいな、これで河上も一緒に行けるな。ははっ…」


35歳前後男、担任であるもり一馬かずまが笑うと

教室にいる生徒25名はつられて、クスクスと笑った。



――――――――




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