私達が紡いだ絆はダイヤよりも硬くてキレイ。
石川 円花
第一話 私の親友
私、
家を出た私は早足で、ミエの家に向かう。
私が幼稚園の頃から仲良くしてる、
皆には無口と言われるけど、優しいミエ。私にとってかけがえのない親友なんだ。
私がミエの家の前で待ってると、ガチャッと扉が開く音がした。
「あっ。らーちゃんっ!待たせちゃった?」
「全然っ!今日は早かったねっ」
ミエが軽やかな足取りで、私に近づく。いつも通り、ミエの低めのツインテールが揺れた。アレンジを全くしていない制服が似合っている。
「あっ、そう言えば、ミエ」
「うん?何?」
「ミエって何か生活している中で困ること無い?」
ミエは左上を見上げて、腕を組んだ。
私が聞いたのには理由はミエの誕生日がもうすぐだから!お誕生日プレゼントを考えたいんだけど何年も誕生日プレゼントを渡しているから、アイデアが思いつかない。だから聞くことにしたんだ。
ミエは純粋すぎるから聞いても大丈夫なんだよね。ククッ、真剣に悩んでる!
「う~ん、そうだね……あんまり無いかなぁ」
そっかと思いながらも、何も心に止めてない表情をしたつもりで歩き出した。
ミエは感が良い訳でも無いけれど、ばれたら誕生日の楽しみが薄れちゃう。去年は、ミエが風邪になっちゃって直接渡せなかったから余計に緊張する。
ミエが喜んでくれる物って何だろう?文房具をずっとあげて来たけど、中学生になったからファッション系?私とミエの趣味は違うからなぁ。
ミエが喜んでくれた顔を思い浮かべると思わず頬が緩む。
「…あ……っ!クレマチスが踏まれてる………」
「ホントだ」
花を見てしゃがみこむミエに続いて私も座った。
♢♦♦♢♢♦♦♢
家に帰って、ドスンと玄関に座り込んだ。
どうしようっ!誕生日プレゼント何にしよう!私が考えなきゃ――!さっきは考えるのが楽しかったけど今になったら恐怖だ。
あ~ミエの好きなものは…………動物はぬいぐるみをあげた。植物……お花柄の鉛筆を昔あげた。紫色…のリボンもあげた。
全部あげちゃってるじゃん!
心の中で自分にツッコミを入れながら、急いで立ち上がった。
そうそう、今日は部活のテニスは無い。今日は誰とも予定を入れてないから、ミエの誕生日プレゼントを買いに行く!
私の家の近くにはショッピングモールが無いから、隣町まで三十分かけて行くんだ。
私は通学用の鞄からお出かけ用の鞄に持ち変える。財布よし、スマホよし、Icカードよし。
玄関を開けようとした瞬間。
「ごめん、空菜!今からお使い行って~!今、手が離せないのっ」
「え―――!?それ今!?」
お母さんから二時間ぐらいかかりそうな大量のお使いを頼まれてしまった。
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