オトナになれないみづきと凜霞の4日間逃亡生活

らんでる

第1章 電車で

旅立ち

 高校に入って初めての夏休み。

 ずっと、ずーーーっと、みづきが待ち望んでいたこの日が、やって来ました。


 髪型は、左右に緩くまとめたふたつ結び。

 洋服は、白地に水色のセーラー服。

 コロンを手首にシュッと一吹き、甘く爽やかな香りがいい感じ。


 大きなバッグを肩にかけて、お父さんお母さんにお出かけの挨拶をして、呼んでもらっていたタクシーに飛び込んで。


 しばらく揺られて、タクシーを降りた所は、駅。

 周囲にはビルがいっぱいあって、新幹線も止まる、とっても大きな。


 改札を通って、人の波をかき分けて、ショルダーバッグがずり下がりそうになるのを担ぎ直して一呼吸。

 キッと前を見下ろしてテテテッと階段を駆け下りて。


「とーーーちゃくっっ」


 駅のホームに立って、

 透き通るような青い空を見上げて。


 みづきの一人旅は、ここから始まります!

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