5月17日の記録
砂糖
プロローグ 5月17日
人は何を求めて生きるのか。
学生のころは考えていなかったのに、社会人になってからずっとその正解を追い求めていた。
学生時代は良かった。目の前にある課題を終わらせて、適当な友達と適当な会話をしてコミュニティを作って、単位さえ取ることができれば良かった。
『社会』に放り出されてから、何のために生きているのだろうと考えることが増えた。
会社にとって自分はひとつの駒でしかないし、給料をもらっても一人暮らしの生活をするだけで精一杯。
その癖、せっかく働いているんだからといって好きな事を楽しもうとすれば余計にお金がかかり、貯金がどんどん崩れていって、底を尽きる。借金を背負う。親に迷惑をかける。
そこまでして、そして好きな事も満足にできない生活で、なぜ生きなければならないのか。
──これは、よくある平凡な毎日を送っている『自分』が死ぬまでの物語。
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