第7話 スライムは塩で倒すべし

 俺も武器を持っていかないといけないのか。突然戦わされるのか……。呪術師って一体何を使って戦うんだ? 呪具?みたいなのは持っていないぞ。


 ああ、そういえば最近ユッチュブで見た動画にあったな。スライムに塩かける実験。


 塩って浄化の力もある……らしい、し? 魔王の魔力みたいなのも祓えるんじゃないか? 知らんけど。


 刃物振り回すの怖いし、失敗したらした時……この2人の軽いノリから見るに、ルーナは強いらしいし。


 よし、決めた。


「俺は塩を持っていく。塩を1袋くれ。」


「……はい?」


ミーシャが首を傾げている。


「呪術師の戦い方……ってやつ? まぁ、海が近い国だから塩はたくさんあるけど……。」


「いや、俺は呪術師をやったことは無い。俺の世界ではそんなのはファンタジーだ。でも俺の世界のスライムは塩で死ぬ。」


「なるほどー! 異文化交流的なね!」


違うぞルーナ。もうちょい人を疑った方がいい。ミーシャはちゃんと疑ってるのに。


「スライムは魔法で倒すのがこの世界の常識ですが。」


「普通の剣で切ると分裂することがあるんだよね。でもでも! 勇者の剣だとぉ!?」


「切れるのです! これがおねえちゃんの力!」


魔法なんか使えねぇぞ。普通の刃物が効かないのに「武器は何にしますか?」とか聞いてきたのか。性格。


「とりあえず、塩を分けてくれ。俺は戦えないからな。」


戦力にカウントするなよ、と念押しして、俺は塩の入った袋を受け取った。……3キロくらいか。

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