第6話 初クエストへ
「わたくしの能力についてはもういいでしょう。」
「クエストにゴー!」
ひとしきり説明が終わると、ミーシャが飽きたようにそう言った。いかにも小難しい話が嫌いそうなルーナが、ノリノリで割り込んでくる。
「クエスト?」
「はい。冒険者ギルドと連携して、勇者用の仕事を回していただいているのです。」
冒険者ギルド! 俺そっちに行きたい!!
「闇の魔力を纏ったモンスターは魔王軍の残党とも呼ばれていて、勇者の剣と魔力じゃなきゃ倒せないんだー。」
え、こわ。それって結構強いのでは。
「な、なるほど。」
「今日のお仕事はね、さっきの草原のスライム倒しだって。」
さっきの場所ってそんなモンスターがいる危険地帯だったのか。この世界が平和という話はどこから来たんだ?
戸惑っていると、ミーシャが水晶玉を掲げた。
「占いをしましょう。」
「はーい!」
ほう。確定の未来を映すとかいう占いを、さっそく見られるとは。
「さぁ。水晶玉。おねえちゃんの未来を映しなさい。」
「おねえちゃんの未来」って言っちゃってるじゃねぇか。
水晶玉が紫色に輝いて、何か人型のようなもやを映している。画質が荒くて良く分からないが、ミーシャには分かるらしい。顔を赤らめ、しばらく悩んでから口を開いた。
「……おねえちゃん、念のために甲冑は脱いで行きましょう。中にスライムが入り込んで大変なことに。」
「? はーい。」
うんうんスライムっていうのはそうじゃねぇとな。おっと。ミーシャに睨まれた。ゴメンナサイ。でもお前の方が見たがっていたじゃねぇか。
「ヒロトも戦うのですよ。武器は何が良いですか?」
え。まじか。当然俺は戦えない。スライムに効きそうなもの……か。
「じゃあ塩を一袋持っていく。」
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