第3話  勇者パーティーの占い師

 俺はルーナに連れられて、町の中央にある高級住宅街のような場所まで来た。その中ではシンプルで小さなの屋敷の前で足を止める。


「じゃじゃーん! ここが私たちのおうちなのです! 王様がくれたんだぁ~、いいでしょ~。」


「はぇー……でか……。」


王様。まじか。ここに到着するまでにも、いろいろな人に挨拶されていた。手を振ったり、声をかけられたり、食べ物を貰ったり……そのせいで俺は荷物持ちをしているし、ここに到着するまでに時間がかかった。おこぼれを貰って満腹だし。夜食……か?


 というか本当に勇者なんだな。正直ただのやばい奴だと思っていた。悪い奴ではなさそうでよかった。


 ルーナが自分で門を開け、広い庭を歩いてドアへ向かう。芝生も雑草もよく見たら伸びっぱなしだ。こんなに広いのに使用人みたいなのはいないのか。庶民っぽい雰囲気だもんな、ルーナは。


 そんなことを考えていると、ドアが内側から開けられた。短い銀髪の14歳くらいの美少女が立っている。その手には頭ほどの水晶玉。占い師か。


「おねえちゃん、無事に戻ったようで何よりです。」


「ミーシャ! 会いたかったよーう!」


ルーナがミーシャに抱き着いた。美少女なのは共通だが、ルーナが可愛い系でミーシャが美人系。髪の色は金と銀で、瞳は青と紫……似てないな、この姉妹。


「わたくしもよ、おねえちゃん。」


うわ。ミーシャって子、ルーナの豊満な胸に顔を埋めて……吸ってる。ルーナには上品な笑顔を見せていたくせに、今はおっさんみたいな笑い方してる。うーわ。うわ。目が合った。


「あなたは呪術師ですね。前回の占いが遂行されたので、次の占いができます。」


なるほど。占いは1個ずつってことか。うん? さっき草原で聞いたなこれ。


「よろしく……。俺は本田ヒロト。状況がまだ飲み込めていない。」


「わたくしはミーシャ。こんにちは。ヒロト。」


「ヒロト! 覚えた覚えた! 中入ろっ!」


ああ、そういえば名乗り忘れていたな。俺も結構混乱しているのか。



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