蚯蚓
梅田 乙矢
第1話
「そういえば、こんな話を知っている
かい?」
着物を着た40代くらいの男が二人、日本家屋の客間で座卓を挟み話している。
「ほら、以前K町に住んでいた男女の話」
『あー、夫婦でもなく恋人というにも何
だか違う、妙な雰囲気の二人がいるっ
て聞いたことはあるが』
「そうそう、その二人。
まあ、あくまでも噂なんだけど…」
『まあた、君はそんな話持ち出して。
噂話の好きな男だな』
「いやいや、聞いてくれよ。
これがまた本当だったら中々の話
で…」
『だから、噂なんだろう?
そんな話はいいさ。
それより、S町で起こった紙芝居屋の事
件、あの奇妙な事件の話をしようじゃ
ないか』
「ちょっと待ってくれ。
その事件も気になるが、とにかく俺の
話を聞いてくれよ」
僕は
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます