第1話
utahaside
「あー外の空気おいしー」
6時間の塾が終わった。今はもう冬休みで最後の追い込み期間だ。
「おつかれっ 歌晴は今日も間違えまくってたな!」
こいつは雄大。塾のクラスが同じで志望校も一緒だ。頭はいいが性格がひん曲がってる煽りレベル100のやつだ。
「うるさいなー 私だって頑張ってるんだぞ!」
自転車の鍵を外しながら言う
「頑張ってても結果に出てないと意味ないんですぅ」
「そういう雄大こそ頭いいんだからそのねじ曲がった性格を矯正したら?」
といつも通り嫌味を言い合いながらもワイワイ楽しく帰る。
「そういえばさ、算数の㈡の問題って45度?」
「お前アホかっ」
「違ったかー」
「あそこは二等辺三角形作るんだよ、そしたら35度になるだろ?」
「そっか!ありがと!」
「あとさ…」
「じゃあまたね~」「またなー」
「よっしゃ このあとの勉強も頑張るぞー」
私は自転車を漕ぎ始めた
yudaiside
今日もかわいいな歌晴。
って何考えてるんだ俺!!
授業に集中しなきゃついていけなくなるぞ!!
美奈と同じ学校に行くためにも頑張らなきゃ!
歌晴と俺は塾は同じなんだけど小学校が違う。
だから受験しなかったら違う中学になってしまう。
「あー疲れたーやっと3時限終わりかー」
伸びする歌晴もかわいいな
俺は歌晴に一目惚れした。
小5の春期講習のときに歌晴が塾に体験に来てからずっと好きだ。
それまで運命の出会いなんて信じてなかったけど、歌晴と会って変わった。
「カシャッ」
俺の写真フォルダはもう歌晴でいっぱいだ。なぜかって?
隠し撮りしてるから!!
見られたらまずいから写真フォルダにはロックかけてる👍
「ねえ今何撮ったの?」
「わあっっ」
「そんな驚かなくてもいいじゃん」
「歌晴かよ〜驚かせんな!」
「いや普通に声かけただけですけど?理不尽すぎません?」
「うるせ〜 驚かせたんだからしょうがねーだろ」
あっぶな 見られるとこだった
「ほら~授業始めるよ〜」
「ほら始まるぞ席もどれ」
「ハイハイ戻りますヨー」
心臓止まるかと思った〜あぶねぇ
「で?ほんとは何撮ったの?
まさか美奈ちゃんのこと撮った?
いくら美奈ちゃんがかわいいからってそれは良くないと思いますよ?」
「ちっげーし」
「じゃあ何撮ったのさ」
「わ、わかんなかったとこの黒板の板書撮ってたんだよ///」
「ふーん」
「なんだよ?」
「いや~ 黒板の板書撮っただけって言うだけなのになんでそんなに耳まで真っ赤なのかな〜って」
「るっせー」
「あ~顔隠したー」
「お前頭悪いんだから勉強しろよ」
「休み時間は休む時間なんですぅ 勉強したら休み時間じゃなくなりますぅ」
「はいはいそーだな」
………
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