第20話

橋本と遠藤は、最近のSNSやLINEを利用したいじめの深刻さを実感し、その対応策を考えるためのミーティングを開いた。特に、匿名性が高いオンライン上でのいじめは、生徒たちに深刻な影響を与えていると認識していた。




「SNSの特性上、いじめが匿名で行われるため、実態を把握するのが難しいですね」と橋本が言った。「人海戦術でデータを集めることはできても、アカウントの特定には時間がかかりますし、法的な制約もあります。」


遠藤も同意し、「匿名性を悪用したいじめが増えているのは事実です。学校の枠を超えて、国が何らかの対策を講じる必要があると思います。」




国への提案


そこで、橋本は国に対して具体的な提案を持ちかけることを考えた。「文部科学省などの国の機関に働きかけて、SNS利用に関するガイドラインや対策を作成してもらえないかと思います。特に、危険なコンテンツや行為を防ぐためのフィルターを設けることができれば、効果的ではないでしょうか。」


「そうですね」と遠藤。「国はSNSや通信のインフラを管理していますから、何らかの介入ができるはずです。特に未成年者が巻き込まれる事件が増えていることを考えれば、早急に行動を起こすべきです。」




二人は、具体的なアクションプランを立てることにした。まずは、国に提案するための資料を作成し、SNS上のいじめの実態をデータとして整理する。さらに、実際の被害例やその影響を示すことで、問題の深刻さを訴えることが重要だと認識した。


「また、地域の保護者や生徒にもこの問題について理解を深めてもらう必要があります。みんなで声を上げて、国に働きかけることが大切です」と橋本が言った。




この取り組みが実を結べば、子供たちを守るための新しい枠組みができるかもしれない。橋本と遠藤は、オンラインいじめの撲滅に向けて、積極的に活動していく決意を新たにした。最終的には、学校だけでなく社会全体が安全な環境を提供できるようになることを目指していた。


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