第17話

教育プログラムが成功裏に終わった後、橋本と遠藤は生徒たちとのさらなるコミュニケーションを深める必要性を感じていた。いじめ問題に対する意識が高まったとはいえ、生徒たちがどれだけその内容を理解し、実践に移せるかは別の課題だった。




橋本と遠藤は、定期的な意見交換会を設けることを決定した。この会では、生徒たちが気軽に話し合える場を提供し、いじめに関する悩みや意見を聞くことを目的とした。


「みんなが自由に話せる環境を作りたい。何でも言ってほしい。」遠藤は集まった生徒たちにそう語りかけた。




初回の意見交換会では、生徒たちからのフィードバックが非常に重要だった。橋本は、いじめ問題に対する彼らの認識や、現在の学校の環境について尋ねた。生徒たちは最初は少し緊張していたが、徐々に意見が出始めた。


「いじめがあっても、周りの人が助けてくれないと感じることがある。」ある生徒の言葉が、会場に重い空気をもたらした。




意見交換会を通じて、いくつかの問題点が浮き彫りになった。生徒たちの中には、いじめが発生していることを知っていても、どのように対処すればよいのかわからないという声が多かった。遠藤は、その状況を受け止め、具体的な対処法やサポートの方法を再度説明した。


「みんなが助け合える環境を作るためには、まずは話し合うことが大切。私たちが一緒に考えていこう。」彼女はそう述べた。




この意見交換会をきっかけに、橋本と遠藤は生徒たちとのコミュニケーションをさらに強化することを決めた。定期的に集まるだけでなく、SNSを活用して意見を集めることも試みることにした。


「私たちはあなたたちの声を大切にしたい。何かあったら、いつでも連絡してほしい。」橋本は生徒たちに伝えた。




さらに、橋本と遠藤は「いじめ防止コミュニティ」を結成することを提案した。このコミュニティでは、生徒たちが自主的に活動し、いじめを減らすためのイベントやキャンペーンを企画することができる。


「私たちが一緒になって、学校をより良い場所にしていくために、力を合わせよう。」遠藤の呼びかけに、生徒たちの表情が明るくなった。




このようにして、生徒たちとのコミュニケーションを深めることで、学校全体がいじめ問題に対してより敏感になり、協力的な環境が育まれていくことを目指した。橋本と遠藤は、次回の意見交換会で新たなアイデアや解決策を見出すことを期待し、さらなる進展を願った。


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