第16話
生徒への教育プログラム
橋本と遠藤は、法律の専門家とのミーティングを受けて、学校内でのいじめ問題に対処するための教育プログラムを企画することになった。目的は、全生徒がいじめについての理解を深め、自己防衛の方法や、他者を助けるための意識を高めることだった。
橋本と遠藤は、まず学校の教師たちと話し合い、プログラムの内容を決定した。片桐弁護士のアドバイスをもとに、いじめの定義、法律的な側面、そして具体的な対処法について学ぶセッションを含めることにした。
「私たちがこれをやることで、他の生徒たちが少しでも助けられるかもしれない。」橋本は決意を新たにした。
教育プログラムは、全校集会の形式で行われることに決まり、全生徒が参加できるように広報が行われた。遠藤は司会を務め、プログラムの趣旨を説明した。
「今日のプログラムでは、いじめがどのような影響を与えるのか、そして私たちがどうやってそれを防ぐことができるのかを学びます。皆さんの参加が大切です。」
プログラムは、まず片桐弁護士による講演から始まった。いじめの実態、法的な問題、そして被害者の心理について詳しく解説された。生徒たちは真剣に耳を傾け、時折メモを取る姿が見受けられた。
講演の後は、ワークショップが行われた。生徒たちは小グループに分かれ、いじめに関するシナリオを基にしたディスカッションを行った。橋本と遠藤は、それぞれのグループを回りながら、意見を聞き、サポートを提供した。
「もしあなたがいじめを見たとき、どう行動しますか?」橋本が尋ねると、生徒たちは自分の考えを自由に述べた。
次に、役割演技のセッションが始まった。生徒たちはいじめの場面を演じ、その中でどのように対処するかを考える機会を持った。遠藤は、演技を通じて、いじめに対する積極的なアプローチや、周囲のサポートの重要性を強調した。
「あなたが一歩踏み出すことで、誰かを助けられるかもしれません。」遠藤の言葉に、生徒たちは勇気をもらった様子だった。
プログラムが終わった後、生徒たちは感想を共有する時間を持った。橋本は、参加者の意見を集め、次回に向けての改善点を考えることにした。
「私は、もっと多くの人にこのことを知ってもらいたい。自分が何かできると感じられることが大事だと思う。」ある生徒の発言が、他の生徒たちにも共感を呼び起こした。
プログラムが終わった後、学校の雰囲気は少し変わったように感じられた。生徒たちの意識が高まり、いじめを許さないという姿勢が見え始めていた。橋本と遠藤は、これからも定期的にこうした教育プログラムを実施し、学校全体でいじめに対抗する意識を醸成していくことを決意した。
「私たちの活動が、少しでも学校の雰囲気を良くする手助けになればいいね。」遠藤は橋本に言った。
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