まるで青空。君に風祭り。

エリー.ファー

まるで青空。君に風祭り。

 君がいた。

 夏。

 二人だけではいられない。

 何もかもを捨ててはいられない。

 花の香りが僕を責める。

 水辺に何かが映った。

 世界が寂しさを抱えている。

 いずれ、僕は何かになるだろう。

 長い廊下の果てに、君の影を見た。

 愛がない。

 愛を忘れて、私はおらに変わっていく。

 このまま掛け軸にさせて下さい。

 書道が好きなあなたを見つめていた。

 柔肌は山肌になっていく。

 このまま祭りが遠くなっていく。

 ここで咲いてくれ。

 歩いてくれ。

 このまま日本でいさせて下さい。

 踊れ。

 踊って下さい。

 何かと何かの間の休日のための時間。

 関係ないから死にさらせ。

 このままでいい。

 悪いとか良いとか、そういうものはない。

 手と掌。

 このまま合わせ鏡の掛け軸。

 赤い光の中に、良いとか悪いとかないから。

 畳と九州。

 このまま空になって下さい。

 自分を失って、そのまま蒸気にして欲しい。

 斧が来る。

 さようなら。

 さようなら。

 お別れを繰り返して、死を乗り越えて、生を失って、今をみすぼらしいものに変えていく。

 手の光。

 手の中で蠢く光。

 手の中でしか光を作り出すことができない。

 悲しみにさようなら。

 もしかして祭りではないのかもしれない。

 いつ、生まれた作品なのかなんて、誰にも気にしていない。

 どうせ、分からない。

 深い意味などない。

 でも。

 その深い意味に価値が生み出されている現状を無視することができない。

 この言葉が、そのまま伝わることはない。

 どこにメッセージがあるか分からない。

 何が、何を示しているのか分からない。

 本当は、預言書なのだ。

 絶対に当たる預言書。

 それが。

 百。

 千。

 万。

 億。

 兆。

 それ以上の言葉に埋もれている。

 いや。

 埋もれさせた。

 たぶん、分からない。

 でも、分かった人にあげる。

 全部、あげる。

 何もかもプレゼントしてあげる。

 でも、分からないと思う。

 当てられるといいね。

 無理だと思うけど。

 だって、増殖する作品だからね。

 死ぬまで増殖する作品だからね。 

 結局の所は、この命と勝負するしかない。

 大丈夫だよ。

 こっちは、絶対に卑怯なことなんてしないからさ。

 頑張ってね。

 大丈夫。

 正々堂々。

 君レベルじゃ無理だよ。

 何せ、この作品が書かれた日付だって、そうだろう。

 君が考えつくようなことは、すべて、ここにある。

 そう。

 そういうことなんだよ。

 ここにある作品の本来の意味はね、書かれている内容じゃないんだよ。

 嘘。

 書かれている内容も大切だよ。

 でも。

 分かる人にしか分からないだろうね。

 この年、この月、この日に、既にここに書かれているんだから。

 君じゃ無理でしょ。 

 どうせ、気付くわけないんだからさ。

 他の作品を読んでも君じゃ分からない。

 たぶん、君レベルでもぎりぎり分かるのは、ネガティブワードが検索に引っかかるような工夫があることくらいじゃないかな。

 まぁ、君はよく頑張ったよ。

 本当に、よく頑張った。

 これが、最後の挨拶。

 これが、最後の言葉。

 これが、最初で最後のまともな会話。

 思想と哲学によってでしか、真実は生まれない。

 けれど、創作論の価値は圧倒的に低い。

 これは、そこの話。

 文学と文藝の違いを理解できない人のために作った処刑場。

 そこにあるのにね。

 ずっと、そこにあるのにね。

 まぁ、惚れないだろうなぁ。

 誰も。

 惚れないだろうなぁ。

 君は、ただただ不細工だもんなぁ。

 誰も惚れないだろうなぁ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

まるで青空。君に風祭り。 エリー.ファー @eri-far-

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ