新王大陸物語 四ノ石
@kokomokomaru
第1話
「"大陸のいたる場所で、絶えず
我々は既に戦から逃げ、南の果ての島で静かに暮らす。」
これは里の北部にある海岸沿い、石碑に書かれた言葉である。
彼らは世界で唯一、戦を知らない者。ある男は長老に聞いた。
なぜ民は戦を学ぶのか。なぜ民は剣術、弓術、槍術を習得するのか。
その答えは、長老ですら知らない。
~大陸、中央帝国某所~
中央帝国の中、ある酒場に二人の旅人が姿を現した。
「君たちはここが初めて?」
カウンターの裏から背の高い赤髪の女性が 二人の男の旅人に聞いた。
一人の男が答える
「我々は先ほど北から参った旅の者です。 諸事情がありまして、マリーという女性を探しています」
もう一人の男は沈黙を保ち、フードで顔を隠していた。
赤髪の女性は様子を見ながら進める
「君たちの名は?」
男が答える
「私の名前はエドワード、彼はミレルと申します。」
女性は少し考え、カウンターの裏の少し高い椅子に腰を掛け言った。
「私がマリーだ。何か用か?」
彼女が答えると、男の顔色が変わる。
~
「陛下。南境門から通達がございます。 ドール帝国は既に人神山に目を付け、進軍を開始したとのことです。」
防寒装備が何重も備えられた甲冑をきた兵士が広間に入り、焦りを隠せない様子で話した。
白く薄いカーテンの裏には、氷のように冷たく美しい妃が座っている
彼女が話し始める。
「我々はもう逃げない。下劣な川の民など山に入れるものか!」
彼女はまだ冷静に見えるが、手に流れる血と汗は彼女の焦りを表している。
兵士が部屋を後にすると、彼女は呟く。
「お父様…どうして私をこのような重役につかせたのでしょうか。私には…戦など分かりません」
彼女は今日も一人、冷たい涙を流す。
~南の島、
ある朝、長老が民を広場に集めて言った。
「時期が来たようだ。」
長老の言葉に、若い者たちは訳が分からず戸惑っているが、
一部の者はすべてを知っているかの如く沈黙を保つ。
「時期とは…何の時期でしょうか長老?」
オーエム人の少年が聞く。
彼の友人は、不安がありながらも好奇心であふれた眼差しを向けている。
「カンア… この話は君たちにも関係のあることだ。よく聞くように。」
長老が話し始める。
「お前たちは "大陸物語" を読んだことがあるだろう。我々の先祖がこの島にたどり着くまでの道のりを示した話だ。 三千年前、彼らは大陸の者を契約を交わした。この三千年間、北から目を付けられることがなく、平和を保ってこれたのも契約のおかげである」
長老は続ける。
「ただし我々はその見返りとして、あることを約束した」
"三千年の時を待ち、貴の血を引く者 五者を連れて中の国へ戻らん"
~中央帝国某所~
酒場では血の匂いが漂う。
「君たち二人ごときで私をやれると思ったのかい? オークランドの使者」
武装をした二人の男は、そのナイフを構えている。
「オーエムの血を持つ蛮人が…」
彼らは数十名の武装兵士に囲まれ、満身創痍で背中を合わせている。
マリーは言う
「この私が蛮人だと…? 笑わせるな。少数民族を無差別に迫害する貴様らの方がよほど蛮人だと思うがな。」
「その点私は、慈悲深く貴様らを生かしているではないか。まぁ、オークランドに少し興味があるだけだが… それと、貴様らに情報を売った商人についてもな。」
「すべてお見通しというわけか…」
そうつぶやくと、一人の男は膝をつきナイフを床に置いた。
もう一人の男も続く。
「物分かりがいいようだ。」
女は兵士に命じ、二人の男を捕らえた
「連れていけ」
彼女はそれだけを言い残し、カウンターで酒を注ぐ。
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