青い夏の夢

紙の妖精さん

第1話

舞花は、窓際の席でぼんやりと教室の外を眺めていた。窓から差し込む夏の日差しがまぶしく、彼女の髪に柔らかく影を落としている。教室の中は静かで、クラスメイトたちは昼休みの後のゆったりとした時間をそれぞれ過ごしていた。


「舞花、ちょっと!」夏音の明るい声が突然背後から聞こえた。彼女は、笑顔を浮かべて舞花の机の横に立っている。元気いっぱいの夏音は、いつもクラスの中心にいて、そのエネルギーは周りの人々を引きつけた。


「何か面白いことでも見つけたの?」夏音は、無邪気な笑顔を浮かべながら、舞花の目線の先を探ろうとする。


舞花は一瞬戸惑いながらも、小さな声で答えた。「ううん、ただ外を見てただけ…」


「そっか!でも、そんなにぼんやりしてると、私みたいに暑さにやられちゃうよ?」夏音は笑いながら、手を広げて教室を出るように舞花を誘う。


「一緒に外でアイスでも食べない?」と夏音が提案した。


舞花は内心、少し緊張していたが、夏音と過ごす時間が大好きだった。彼女の笑顔を見ると、自然と舞花の心も温かくなる。「うん、行こうかな」と、舞花は夏音について教室を出た。


外は眩しいくらいに青い空が広がり、蝉の鳴き声が響いている。夏音と並んで歩くたびに、舞花の胸は少しずつ高鳴っていた。彼女がこの瞬間を大切に思っているのは、自分でも少しずつ気づき始めていた。


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