法的に「味噌」と名乗れない味噌
食料品の買い出しのためにただスーパーを歩いているだけでも色々と面白い発見がある。
例えば「そば」。法的にそば粉の割合が30%以上であれば特に明記する必要がないので、そばだと思って食べていたものがほとんど小麦粉で実質うどんだったり。
ウイスキーなんかも、トップバリュの安いものは、酒税法上ウイスキーと名乗れる程度にウイスキーを配合してあるだけで実質焼酎なんだとか。
そうかと思えば、最近流行りのヴィーガンチーズ(植物由来の材料のみで作ったチーズ)には「チーズ」ではなく「シュレッド」などという妙な呼称が用いられていたりする。いちいち気になって調べたりしていたが、「景品表示法」という意外と奥が深い問題が隠れていたというわけだ。
愛媛県では伝統的に原材料に小麦をふんだんに使用した麦味噌が広く親しまれてきたが、その中でも宇和島市の「麦みそ」という100%小麦で作られていて、これが景品表示法で「味噌」と名乗れないことが問題になった。
というのも、法的に「味噌」というのは「大豆もしくは大豆と米、麦等を蒸煮したものに麹菌を培養したものと塩を加えて発酵させた半個体状のもの」とあり、「大豆」が一切含まれていない宇和島の「麦みそ」は味噌ではないということになるのだ(!)。
他にも、農林水産省の地理的表示保護制度により一部の事業者の製法のみが「八丁味噌」が登録されたために、それとは異なる製法で作っている老舗が販売する豆味噌が「八丁味噌」と名乗れなくなるという事態も発生した。
というニュースを見ていて思い出したのだが、以前The Edamame Kitchenというサイトで大豆以外の様々な豆で自家製味噌を作ってみたという記事を読んだことがあった。これによると、黒豆やひよこ豆、小豆、黒インゲン豆、赤インゲン豆、緑豆、レンズ豆などでも米麹や塩を加えて発酵させれば味噌は作れる(実際、日本国内では小麦以外にもそら豆や小豆を使った味噌なんかもある)。
しかし先ほどの事例を見るに、大豆以外の豆100%で作られた味噌はやはり法的には味噌と呼べない、ということになるのだろうか?
2024年9月27日 追記
丸秀ストア「キヌアみそ」
https://maruhide.shop-pro.jp/?pid=150402629
丸秀醤油という佐賀県の醤油メーカーがキヌアで味噌や醤油を作っているらしい。大豆アレルギーの方なんかはいいかもしれない。
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