クラスで召喚されたが召喚した国があまりにも酷かったので逃げ出した

楽園

 勇者召喚?

 キーンコーンカーンコーン

「はいっじゃあ今日の授業はここまで、次の授業までにみんな復習と課題やっておくように」

授業が終わりクラスが一気に騒がしくなる。

「まじで課題ダルいわ」

「それな、てかあいつ次の授業までとか言ってたけど実質明日じゃねえかよ」

「しかもあいつ授業のたびに課題出すよな、そんなに俺らの嫌がる顔が見てーのかよ」

「今日こそ俺課題サボる」

「いやお前こないだ課題忘れてキレられてもう二度と課題忘れないって言ってたじゃねーか」

「そこっ、課題はちゃんとやらないと駄目ですよ!」

「「「「ゲッ委員長…」」」」

「まったくあなたたちはスグにサボろうとして、先生も私達のことを思って課題を出してくださっているのですからちゃんとやって来なさい!」

「「「「………はい」」」」


「男子共また委員長に怒られててウケるー」

「相良さん…貴方も欠席日数多いですよね、ちゃんと学校に来なさい」

「もー雅ちゃんはお硬いなー、もっと気楽に生きればいいじゃんっ、将来のことは後回し!今が楽しければ人生サイコーって」

「そーそーさがっちの言う通りだって将来なんてそんなに考えなくてもどうせ何とかなるんだから人生の数少ない青春を謳歌しよーよ」

「まったく、あなたたちはいつもそうですよね…そんな考えだと大石君たちも相良さんたちも将来碌なことになりませんよ」


「「あ、あいつらと同類になるのだけは嫌だわ」」

「「「「……どうるい、いや」」」」

そんな風に海南高校二年一組の30人はそれぞれいつも通りにくだらない話に花を咲かせていた

すると、

「は!?何だコレ!?」

「何なのよこれ!男子たち何とかしなさいよっ!」

「んなこと言われたって俺らもどうすりゃいいか分かんねーよ!」

「みんなっ!今すぐ教室から出て!」


床が光り生徒たちはその光に包まれていった

光が収まるとそこは謁見の間のような場所だった


「これは!もしや勇者召喚!?それでは我々は勇者として異世界へと来たということですかな!?」

「はぁ?勇者召喚だぁ?てめぇ何言ってんだ?」

「フフフっそれではこの私不肖松本が説明させていただきましょう!我々は今先程の光、魔法陣によって異世界へと召喚されたのです!きっとこの後我々は力を合わせ、剣や魔法の力を使い魔王討伐の旅へと出立するのです!」

後ろではオタクたちが「ステータスオープン、

ステータスオープン!!」と叫んでいる。

すると、


「ええぃ!静かにしないか!この下郎共!我らが国王陛下の御前なのだっ!次五月蝿くしたものはその首を刎ね飛ばすぞっ!!」

(((((ん?)))))

「それでは国王陛下お言葉をどうぞ」

「よく来たな勇者共、朕はロドリゲスこの国の国王でおじゃる!貴様ら朕に召喚されたことを存分に感謝するとよい!!」



(((((う、うぜぇ〜〜)))))



「あ、あのロドリゲス…陛下?その1つ質問してもいいですか?」

「貴様!国王陛下に対し無礼であろうが!」

「よいよい、朕は寛大なのじゃ。それで貴様名前は何というのでおじゃるか?」

「えっと、霧島雅です」

「ほほぉー、雅かお前美しいのぉ魔王討伐を終えた暁には褒美として朕の妾にならせてやるでおじゃる!」

「はぁ、その私達は元の世界へは帰れるのでしょうか?」

「ん?そんなもの知らんでおじゃる。生き残っていた奴は美しい女は朕の妾に、それ以外は兵士にしてやるでおじゃる」

「えっ!?」



(((((は、はぁ~〜!!??)))))



「それで明日にでも魔王討伐に行ってもらうでおじゃる。何適当に武器は渡すでおじゃるから寛大な朕の心に感謝するでおじゃる」

「ん?貴様ら何やら震えておじゃるな?ほほぉーさては貴様らも朕の寛大さにありがた過ぎて言葉も出ないようでおじゃるな?」



(((((怒りに震えてんだよ!!)))))



「後、貴様らの部屋だが特別に大広間を用意してあるでおじゃる。今日はそこで寝るでおじゃる」


(((((もう何なんだ……)))))


「それじゃあここが大広間だから適当に使え」

そう大広間に通された生徒たちは困惑していた


「あのクソ野郎そっちの都合で勝手に呼び出しといて帰れないとかまじでなんなんだよ!」

「ほんとそれ、てかさこの対応もまじで意味わかんない。あの王様の横にいたおっさんなんてうちらに最初に言った言葉控えよ下郎とかふざけんなって感じだよね」

「てかさっき松本が言ってた話と全然ちげぇーじゃねえかよ!どういうことだ!?お前の読んでる本とかもこんなんなのか!?」

「いえいえ!そんなはずありませんよ!!だいたいこんな反応されるなんて拙者にも全然予想できませんでした!こっちが聞きたいぐらいです」

「ま、松本殿の言う通りでござる!この国かなりおかしいでござる!取り敢えずこのままだとこの世界のことを何も知らないまま無一文で放り出されることになるでござる。何か対策を考えなくては」

「そうね柊沢君の言う通りだわ、まずはこれから先について考えましょう」

「あぁそうだな委員長…だが1つだけ言わせてくれ」

「うんうちも言いたいことがあるわ」


「「「「「「なんで委員長があんなデブの妾にならなきゃならないんだ!!!」」」」」」


「うちらのクラスの天使なのに!!」

「てかあいつ他の女子にも手出そうとしてただろ!!」

「ほんとよ!何が褒美で妾にしてやるよ!ただの拷問じゃない!」

「しかも男は男で兵士だろ!?」

「実質ただの使い捨ての駒ってことじゃねぇかよ!!」

「取り敢えず魔王倒しても地獄!倒せなくても地獄だろ!」

「まぁ魔王倒せたとしても委員長だけはぜってぇ渡さねぇ」

「「「「「そうだ!そうだ!!」」」」」

「みんな…そうね私もあんなやつの妻、ましてや妾になんて絶対になりたくないわ」

「「「「「うん、うん」」」」」

「でもね、それより先にクラス全員が生き残って元の世界へ全員が帰れることの方が大切よ」

「「「「「…い、委員長」」」」」

「それじゃあ全員で生き残る対策を考えるわよ」


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