始まりの街
「そこのお前止まれ!」
「何かしら?」
「冒険者カードを見せろ」
「無いわよ」
「なら1000Gだ」
「はい」
「確認した、通ってよし」
「案外簡単に入れるのね」
「にしても、始まりの街なのに最初の入り口でお金取られるのね…」
「まずは冒険者ギルドにでも行ってカードを作りましょう」
アカネはしばらく歩くと冒険者ギルドとわかりやすく書いてあるデカい建物を見つけた。
(これがギルドね…モンスター系のプレイヤーが見当たらないってことは人に擬態してきて正解ね)
(あら?動物系のプレイヤーはいいのね)
「おい、入り口でつっかえるな!邪魔だ!」
「ごめんなさいね、今どいてあげるわ」
(そういえば、さっき【複写】でコピーしたスキルに【鑑定Lv2】があったわね)
(【鑑定】)
【ステータス】
名前:キドー
性別:男
種族:人間
職業:剣士Lv4
サブ職業:ー--
HP:135
MP:100
STR(筋力):16
INT(知力):1
DEX(器用):1
AGI(素早さ):10
MEN(精神力):4
DEF(物防):10
MDEF(魔防):10
CRI(会心撃):4
LUK(幸運):1
(スキルは見えないのね。それにしても…よっわいわねーレベルも低いし)
(これが普通なんでしょうけどね)
(私も早々にステータスを隠蔽するスキルを身に着けるべきね)
「さて、私もカード作りましょうか」
「本日はどのような御用でしょうか?」
「冒険者カードを作りたいの」
「わかりました、こちらの水晶に手を触れてもらえますか?」
「わかったわ」
アカネが水晶に手を置くと水晶は薄く光って少ししたら光が収まった
「はい、できました。このカードにはランクと名前のみが表示されます」
「また、最初のランクはみなFランクからのスタートになります」
「ランクを上げたい場合はクエストをこなすか」
「早く上げたい場合はこちらの用意するモンスターと戦って勝てば難易度に応じてランクが上がります」
「大体わかったわ」
「それでは、よい冒険者生活を」
(次はさっき見つけたスキル屋ね)
冒険者ギルドを出て少し歩いた先の路地裏に入ると
そこには『スキル屋』と古びた看板で書かれたお店があった。
「さて、何かいいものがあるといいのだけど...」
「いらっしゃい」
店に入るとお年を召したお婆さんがカウンターに座っていた。
「年季の入ったお店ね」
「久しぶりのお客さんだね。何のスキルを買いに来たんだい?」
「そうね…目的のものはいくつかあるけど見てもいいかしら?」
「好きにしな」
アカネはスキルをいくつか見ていった。
どれも相当の値段で、大体5~10万Gが基本らしい。
(今買えそうなもので欲しいのは【糸操作】【ダメージ率Up】【魔法耐性】【偽装】【気配察知】)
(どれも高いわね…よくて二つ買えればいい方ね)
「決めたわ、この【偽装】と【気配察知】にするわ」
「はいよ、合計で10万と5000Gだよ」
「これでいいかしら?」
「まいど」
「また来るわね」
「いつでもいらっしゃい」
「今日はもう宿に泊まって落ちようかしらね」
「よさげな宿は…」
「あ!ねね!そこのお姉ちゃん!」
呼ばれた方に顔を向けるとそこには
小さい女の子がいた
「あら、どうしたの?」
「お姉ちゃん宿探してるんでしょ!私のところ宿屋なんだけど…来ない?」
(もじもじして言ってくる姿…最高に愛らしいわ!!)
「そうなの、よくわかったわね!ぜひ案内して貰えるかしら?」
「うん!こっちだよ!」
「あ、ほら危ないわよ。こっちに来なさい」
「なーにー?」
「よいしょ」
「わわっ!」
「これで安全ね!」
アカネは女の子を近くに呼ぶと一瞬で女の子をお姫様抱っこした。
あまりの早業と急な出来事に女の子も少し呆けている。
「え…え?!えっとお姉ちゃん?はず…かしい…//」
(かわいい!)
「ふふ、いいじゃない!私はこの方がいいの、ダメかしら?」
「うぅ…別にダメじゃないけど…」
「ならいいわね!さぁ案内してちょうだい?」
「わかった…あっちだよ!」
「そういえば名前を聞いてなかったわね?私はアカネ、あなたは?」
「私はミリー!」
「そう、ミリーこれからよろしくね」
「えっと、よろしくお願いします!」
「ふふ、やっぱりかわいいわ」
「え!?」
「あら、本音が出ちゃったわね」
ミリーの顔は急激に赤くなりアカネの胸に顔を隠してしまった。
「あらあら、これじゃ道がわからないわね」
「もうアカネお姉ちゃんなんて知らない!」
(最高にかわいい…)
そうやって雑談しつつしばらく歩くと宿屋を発見。
「あれかしら?着いたわよ」
「あ!うん!あれだよ!」
「じゃあ今降ろすわね」
「あ…」
「さあ、行きましょう」
「…うん!」
(降ろした時に寂しそうにするなんてほんと可愛すぎるわ!またしてあげましょ)
「あ、あのお姉ちゃん!」
「なにかしら?」
「もっと顔近づけて!」
(その、たまにだったらまたしてもいいから!)
「それだけ!」
「ふふ、えぇ、わかったわ」
それだけ言うとミリーちゃんは奥に行った。
「いらっしゃい、うちのミリーがお世話になったね」
「いいえ?可愛かったわよ、それに宿屋も探してたしね」
「一日10Gだよ」
「わかったわ、とりあえず10日分お願い」
「はいよ」
「部屋は302だよ、ごゆっくり」
「えぇ、わかったわ」
部屋に着いたアカネはベッドに横になるとログアウトした。
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