自由気ままにソロでいく!
タロルッチ
新しいセカイ
清々しい朝、桜が舞う中どんよりした空気を纏っているのは
誰であろう、そう百音モネ 茜アカネである。
「お姉ちゃん!朝から元気ないよ?」
「だって…だっでぇぇぇ!!!」
その姿は学校で美人と言われる姿とはとてもかけ離れていた。
そんな姿を見ながら妹、百音モネ 蕾ツボミは
(今日もお姉ちゃんは綺麗だな〜)
なんて事を思っていた。
「ゲームはいつか終わるものだよ、仕方ないよ」
「うぅ、そうね確かにいつまでもうじうじしてるのは私らしくないわ」
「ありがとね、ツボミ」
そう言ってツボミの頭を撫でる。ツボミは気持ち良さげに目を細めている
そんな妹を今日も最高に可愛いと心の中で思って気持ちを切り替え
学校に向かうのだった。
「おはよう〜」
「ん…おはよう」
「おはよう」
自分の席に着いてホームルームの支度をしていると声をかけられる
間延びしたような挨拶をしたのは幼馴染の大北オオキタ 千里チサト
実家がお金持ちで幼稚園の頃から一緒にいる。
眠そうに挨拶したのは中学校からの付き合いの星街ホシマチ 眠野ネムノ
喋るのがゆっくりで身長が140cmその姿はとても可愛く、
よくアカネに激しいスキンシップをされている。
2人とも大切な親友である。
この三人は学校でも男子の人気が非常に高く、
数多くの男子が初恋をしたほどである
全員玉砕しているが…
中でもアカネは女子人気も高く、女の子が好きなアカネからすれば
嬉しい事だが、既に両手に花ツボミとチサトとネムノでいっぱいの為
表には出さないが内心では血涙を流す勢いで断りを入れている。
玉砕したほとんどがせめて遠くから見ていたいとファンクラブなどもできているが
その存在を彼女達は知らない。
「今日は悲しい日よ、2人とも」
「どうしたの〜?」
「ん…」
「私が長年やってきたゲームがサービス終了してしまったの…」
なお、この会話は周りには聞こえていないためアカネのイメージを壊すことはない。
「へぇ〜それは悲しいわね〜慰めてあげる~」
と腕を広げ抱きついてきた、チサトの豊満なそれが押し付けられて
アカネは内心で元気いっぱいである。
「ん、私も」
とネムノも頭を撫でてくる。
アカネの表情も柔らかくなり、纏う雰囲気も柔らかいものになった。
「ありがとう、とても元気が出たわ」
そんな三人の姿を遠目でチラチラうかがっているクラスメイト達は
その姿がとても眩しく、また尊く見えていた事は言うまでもない。
「そういえば〜今日は新しいVRMMOが出る日でもあるわね〜」
「ん…私は今日届く」
「あら〜そういえばなんかお父様が私の分を確保してくてましたわ~」
「えーなにそれ!知らない!今日注文しようかな?」
「確か予約枠埋まってたんじゃなかったかしら〜?」
「ん…もうない」
「そんな…!?」
とそんな話をしていると予鈴が鳴り、ホームルームが始まる。
もっと詳しく聴きたかったが仕方ないため、お互い自分の席に戻る。
そうやって優等生として過ごし、放課後になり
妹を待ち合わせをして帰る。
「お姉ちゃーん!」
「こら、いきなり抱きついてこないの危ないでしょう?」
「えへへ、ごめんなさい」
「もう、それじゃあ帰りましょう」
「うん!」
その光景を見ていた生徒は何人か浄化されたのだった。
家に帰り、リビングでゆっくりしていると
「お姉ちゃん!」
「なーにー?」
「見てこれ!」
そう言って見せてきたのはゲームの当選に当たったという通知だったしかも2本分である。
「おお〜凄いじゃん、なんのゲーム?」
「これは最近人気で予約が埋まってるVRMMOのゲームだよ!」
「お姉ちゃん、やってるゲームのサービス終わったって嘆いてたから丁度良くない?」
「そうね、せっかくだしやってみようかな」
「じゃあ一緒にやろう!」
「うーん…そうねー」
「ダメ…かな?」
「うっ…!」
「え、えっとね?固定でずっと一緒って訳じゃないけどたまに一緒にやるならいいわよ!」
「え〜まぁいっか!わかったよ!それで我慢するね!」
「えぇごめんなさいね」
「ううん、大丈夫!」
と抱きついて撫でてアピールをするツボミを
あ゛ぁ゛可愛い゛!と思いながら頭撫でるアカネの顔は
とても見せられるものではなかった。
そうやって撫でながら会話を続ける。
「そういえば、それっていつ届くの?」
「うん?もうあるよ!」
「はいこれ!」
そう言って渡されたのはデータチップ
「これを読み込んで起動すればできるよ!」
「あと、私達は当選で当たったからいくつか特典もあるみたい!」
「へぇーそれはいいわね!でかしたわ!」
「えへへ」
「早速、やってみようかしら」
「いいと思う!、私は明日早いからもう寝るね!」
「おやすみ、ツボミ」
「おやすみお姉ちゃん!」
おやすみの挨拶をして部屋に戻っていくツボミを見送りながら
手に持ったデータチップを持ってアカネも自分の部屋に戻るのであった。
「さて、このゲームの詳細はほとんど知らないけど…まぁなんとかなるでしょ」
ゲームをスタートしたアカネはこれから何が待ち受けて言るのかワクワクが止まらなかった。
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