詩集〘雅な陰り〙
裏律
蛭(ひる)
重なるの線がうねる 文字は
いくら拭おうとも
汚れは 広がるばかりで
もう 伝わらない
でも 諦めきれなかった
薄くても それは やはり
柔和な 食いこみに
揺らめく 淡い手つきが 私を 抉る
もう 戻らないの
逃れられない 締めつけの
怪しい心地よさ
でも 心地よいのだから
執念深さが起こした 弾みで 壊してしまった数々の
でも それは罪じゃない
貴方は 何にもしていない
だって 何にもしてなくても 壊してたのだから
何にもしてないのと 同じ
落ちたしえんインクの広がりは
煙のように溶け 薄まり
なのに いくら払おうと
消えてなくなったのに こびりつく
まったく優しく縛るのね
優しくとも 確かにある けば立ちで 傷はつくの
慈しみが染みついてしまったなら
もう 卑しさは
洗い落とせない
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます