転生したら美少女だらけのハーレム学園に!?〜俺、いや私は最強、でも可愛い子には勝てない〜

runa

序章 新しい出会いを

プロローグ

――気づいたときには、もう終わっていた。


僕はその瞬間、すべてを失った。仕事に疲れ、ただ日常の流れに飲み込まれていたサラリーマンの俺が、今こうして、見知らぬ世界の広がる大地の上に立っている。


「ここは……どこだ?」


薄暗い森に包まれた景色。見渡す限り、高くそびえる木々と、足元には苔むした大地。風は冷たく、湿気を帯びている。東京の喧騒からは考えられないほどの静寂が、耳を支配していた。足元に目を向けると、そこには見慣れない服――なんだ、このスカート? そして、この小さく細い手……。


「えっ?」


自分の声に驚いた。聞き慣れた低い男の声ではなく、透き通るように高い声が喉から出ている。恐る恐る自分の体に触れてみる。手を見つめ、胸に触れ、そして髪をかき上げると、ふわりと肩にかかる長い髪が揺れた。


「嘘だろ……俺、女の子になってる?」


パニックが襲ってくる。だが、それ以上に、思考の奥に漂う不思議な違和感。まるで前世の記憶が薄れていくような感覚――それでも、確かな記憶があった。自分は「男」だった。少し疲れていたけれど、確かに普通のサラリーマンとして生きていた。それが今、どうしてこんな美少女になってしまっているのか?


「異世界転生……か?」


頭の中でその言葉がよぎる。まさか――これは、よくあるあの展開なのか? 異世界ものの小説やアニメ、ゲームが好きだった自分が、こんな形でその世界に足を踏み入れるなんて。現実ではあり得ない、けれど今、自分が置かれている状況がまさにそれだ。


ただ、普通の異世界転生とは決定的に違うことが一つある。


「俺、女の子になっちゃってる……」


――もしかして、ハーレムなんて夢のまた夢?


そんなことを考えながらも、冷静になろうと深呼吸をした。まずは、この状況を受け入れなくては。前世で読んでいた異世界ものの知識が役に立つかもしれない。だが、その知識を引き出そうとすればするほど、現実の感覚が自分を圧倒していく。異世界で美少女として生きることが、これからの新しい日常になるのだろうか?


「ま、いいか……」


現実を受け入れるには時間がかかりそうだが、まずは何とかこの世界で生き延びなければならない。立ち止まって悩んでいても、前に進むことはできない。俺は新しい人生、いや、新しい自分として一歩を踏み出す決意を固めた。


そして、その瞬間、頭の中に異世界の知識が流れ込んでくるような感覚があった。魔法――この世界には魔法が存在している。何かが体の奥から湧き上がる。力がみなぎるような、今まで感じたことのない感覚。それはまるで、僕がこの世界で新たな何かを成し遂げることを期待されているかのような――


「やれるさ、きっと……!」


胸の奥に湧き上がるのは、かつての退屈な人生で味わうことがなかった期待感。この異世界でなら、何でもできるかもしれない。そう思うと、胸の高鳴りが止まらなくなった。


そして、この旅の終わりには――そう、ハーレムだって夢じゃないかもしれない。


これから始まる異世界での冒険に向けて、俺はゆっくりと歩き出した。

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