偉人が復活し新たな世界を作る
@adzts
第1話
三浦義弘は食品メーカーで営業職として働く25歳のサラリーマンである。仕事は順調に進んでいるが最近は営業が思うようにいかず悩んでいる。ある日朝起きたときに義弘は不思議な力を得た。今までの不安がなかったかのように軽快な気分になった。そしてその日、彼は10件との取引を成功させ上層部からは高い評価を得た。彼は今まで型にはまった営業しかできなかった。既存の顧客にばかり営業したり限られた商品ばかり売ったり社内の規則、因習に囚われ思うような営業が出来なかった。しかしそんな固定観念を取っ払って常識にとらわれない革新性ある営業を行った。今までは既存の商社、卸売業者のみに売っていたがそれだけでなく小売店や飲食店、そして個人への営業をおこない、ビジネススタイルを変化させた。これにより商社を相手にした営業よりも安く、幅広い客層に認知された。また決まった商品だけでなく新商品も積極的に売って顧客が扱う商品を多様化し様々な商品を買ってもらうことに成功した。
しかし不思議だった。なぜ自分がこんなに抜本的な行動が出来たのか。今までは型にはまった限定的な営業しか出来なかったのにどうして急にこんな優れた結果を残せたのか。思えば朝、今までの不安がなくなり軽快な気分で出勤できた。ここから疑問に思っていた。その時義弘に声が聞こえた。「フフフ、自分の仕事に疑問を思うか。」と。最初は社内の人から話しかけられたのかと思ったが周りを見渡しても自分に話しかける人はいない。その時また声が聞こえた。「余はお主の中にいる。周りを見渡しても無駄だ。」と。そしてまた声が聞こえた。「余は織田弾正忠三郎信長。お主に取り憑いている。お主が商いで成功したのは余の力を貸したからだ。」と。義弘はこれを聞いて驚いた。しかし自分の成功に不自然に感じた義弘は信長を信じることにした。
その日の夜、警察官として働く友人と酒を飲んだ。その時に驚くべき話を聞いた。自分の検挙数が昨日の倍になったこと、その成功の裏には自分に話しかける者がいるという自分と全く同じ体験をしていた。彼には近藤勇という新選組の局長が憑依していた。自分も似たような体験をしたことを話すととても驚き話が弾んだ。
数日後、信長と共に営業に励んだ。営業成績は順調に進んだ。帰宅し、ニュースを見ているととある興味深い情報が目に入った。なんと自分と同じ体験をする人が多発していることである。ある高校生は菅原道真の憑依で学力が向上し、ある気象予報士は安倍晴明の憑依で気象予報を詳細、正確にできるようになった。これを機に偉人の魂が復活して世の中に変化を起こす時代が始まった。
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