続かないプロセスの仕掛け
やるべきことを為し終えたのなら、生を終える。
それが人間として当然の義務であって宿命である。
それが忘れられた現代を悪いとは言わなくてもまやかしである。
孰れ、全ての終わりはやって来るのだから、後で落胆するだけ。
虚は単なる飾り言葉でも衒学的な表現でもなく真実である。
死は只、向かい合うべき対象であり、私達の運命である。
無は宗教や哲学の戯れではなく、現実的な実体である。
空は観念的な言葉遊びではなく、この世界の実態である。
だから、あの子と別れたのは偶然ではなく、時期を逸失していたから。
廻りの子達があなたに親しげに寄って来るのは、あなたは善良だから。
知らない振りも出来ない振りも已めたね、正直なら好かれるのだから。
覚え立ての知識と技術が虚栄を売らなくなった刻の成熟の安らかさだ。
あわよくば、どんな世界も知らないで下さい、死後のお楽しみなんだ。
何もかも孰れは泡沫夢幻と消え去ってしまう世界でも、一時でも生を。
諸行無常も諸法無我も涅槃寂静も色即是空も、嘘ではないのだからね。
さぁ、もういいだろう、全てを知ったのならば、一瞬でも活きなさい。
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