ポメラニアンフェニードッグ

第1話


 首のねじれた犬が追ってくる。犬種には詳しくないが、プードルかポメラニアンに見える。白いモフモフとした毛に包まれていて、上品とされる犬種だと思う。でも、この犬の毛は薄汚れている。もともとの汚さではなく、どこかを駆け回って付いた汚れに見える。汚れていることは、首のねじれていることに比べるとたいしたことではない。

俺はひたすら逃げている。どれくらい走っただろう。首のねじれた犬に追われたことなんて当然ないし、こんなに走ったのも久しぶりで、呼吸がままならない。

そもそも首がねじれているのに、なぜ前方にいる俺を追ってこられる?犬の顔ははっきりとは見えないので、顔に目がついているかはわからないが、少なくとも、俺の方に向いている顔の後ろ部分には目がついていない。多分、こんなことは考えても無駄だろう。首がねじれて生きているだけでおかしいのだから。

人気のない、田んぼに囲まれた道をただ歩いていただけだった。首のねじれた犬を見つけたのは田んぼの奥にある、暗い森のあたりだった。この森は、昔から怖いと思っていた。背の高く、ぐねぐねとした木が無数に生い茂っていて、見ているだけでも、恐怖に襲われる。森を見ていると犬がいて、このあたりに野良犬がいるのは珍しいなと思いながらも見続けていると、犬がどんどん近づいてきて、犬の首がねじれていることに気付いた。そして、追われることになった。

 <なあ、一回足を止めてくれないか>と後ろから聞こえた。

犬が言葉を話すことに驚いたが、足を止めることはしなかった。

<俺を助けてくれよ>とまた後ろから聞こえた。

助けてだって?助けてほしいのはこちらの方だった。

<一回でいいんだ、足を止めてくれ>

足を止めることにした。そうすると犬も止まった。

<ありがとう。>

「いいよ、君は俺にどうしてほしいんだ?」

<助けてほしい。>

「助けるって、君を?」

<そうだ、首を戻してほしい。>

俺は驚いた。戻してほしいということは、この犬はもともと、普通の首のねじれていない犬だったということになる。それを聞くと犬はそうだといった。

<俺はもともと普通の、首のねじれていない上品な犬だったんだ。飼い主の麻里ちゃんと散歩してたらみょうな爺にいきなり何かされて、気付いたら首がねじれてた。麻里ちゃんはまだ13歳で怖がりだからさ、俺の姿を見たらどっかいったんだよ。こんな姿じゃもう麻里ちゃんと添い寝できないよ。助けてくれ>

「じゃあ首を元に戻してほしいんだな、君は?」

<ああ、そうだ>

「といっても、どう戻せばいいかわからないよ」

<だよなあ>

 我々は二人で困り果てた。

<麻里ちゃんは本当にいい子でさ、俺は昔すごく暗くて狭い、わめき声が常に聞こえている得体のしれないところにいてさ、そこから助け出してくれたんだ。そこからは毎日が幸せだったよ。でも、ほかの人間は嫌いだ。>

この犬は、少しひねくれている性格のようだった。

<でも、なんかお前は好きだよ。同類のにおいがする。>

「そうかい」と俺は投げやりに言った。

俺たちは無言になった。どうすればいいのかわからないのだ。

<よし、森の奥に行こう。>突然犬はこういった。

「森の奥に?」と俺は聞き返した。

<そうだ、爺は森の奥に入ってった。爺が何か戻す術を知っているに違いない。とっちめてしてもらう。>

巻き込まれてしまったな、と思った。この少しひねくれた犬を助けるのは、とても苦労するに違いない。不気味な森の奥に行って、そこでまた何かしないといけないのだろう。

 しかし、不思議と、この犬を見捨てられないなという気持ちが芽生えた。この犬のひねくれ具合はちょうどよくて、好感が持てる。

なんにせよ、森の奥に行くしかないと思った。俺は犬にそう伝えた。

<助かるよ>と犬が言った。

俺と犬は森の奥へ進むことにした。

 森の奥に入ると、ある程度人が歩くことが想定されているであろう道が見えた。首のねじれた犬は首のねじれたまま前へ進んでいた。その首は常におれの方を向いていて、俺は不思議な感覚になった。

道を十数分歩くと、小さい小屋が見えた。小屋の後ろにはさらに木々が広がっている。

<奴はここに住んでいるに違いない>と犬が言った。

小屋は寂しい森の中にふさわしい寂しさを漂わせている。老人がこんなところに住んでいるのだろうか。

小屋を見ただけでは、老人が今この中にいるかはわからなかった。

犬と俺は扉をノックした。続いて、犬が吠える。

「うるさいな、なんなんだ。」と老人が扉をあけながら言った。

 老人は、背は中くらいで、顔のしわや佇まいから、老人というのにふさわしくなったばかりという風に見えた。

<俺を戻せ!>と犬が言った。

「なんなんだ、おまえは?」老人は、犬を無視して、俺に問いかけた。

「この犬を元に戻してあげてください」と俺は言った。

「面倒だ、どこかに行け」と老人が言った。老人は取り合う気がないようだ。

俺は必死に説得してみることにした。

「おじいさん、この犬はちょっと捻くれたところはあるけど、いいやつなんです。こんな風になったままなのはかわいそうすぎます。戻してあげてください。」

「おかしなことを言うやつだな、お前はこの犬の飼い主なのか?散歩していたことは違うようだが。」老人は首をかしげながら言った。

「いいえ、ちがいます。さっきあったばかりです。」と

「それならなぜおまえはこの犬のことをよく知っているんだ?私のことだって知りようがないだろう。」

<俺がしゃべったんだ>と犬は顔を俺にむけながら言った。

「この犬が言っている通りです。」

「この犬が言っている通り?お前は何を言っているんだ」と奇怪な目で俺を見た。

「もしかして聞こえてないんですか?」

「聞こえていない、お前には聞こえるのか犬の声が?犬は吠えてすらいないのに?」

老人言われて俺は犬がしゃべるときに、ほとんど吠えていないのに気付いた。

「どうなってるんだ?」と俺は犬にかがみながら聞いた。

<わかんないよ。なんかお前には俺の考えていることが通じるんだ。首がねじれてから人間に対してみんなこうなのかと思ったけど、違うんだなあ>

俺は、老人に「考えていることが僕にだけ通じるみたいです」と言った。

それを聞くと、老人は急に笑い出した。そして、「面白い、もう少しお前たちの話をちゃんと聞いてやる気になった。」といった。

俺は少しほっとした。

「やったな」

<ああ。>

俺は気を取り直して、老人に、「とにかく、この犬を直してやってください」といった。

「わかった。ついてこい」と老人は言った。

老人は家から出てきて、森のさらに奥のほうに歩きだした。俺たちはついていくことにした。

「お前たちが、話が通じるのはなんでだと思う?」と老人は言った。

「…わかりません」

「私が思うに君たちは、魂の波長が合うのだと思う、そして、そのことが対話を可能にさせている。違うかね?」

「そうですかね?」

「そうではないのか?」

<そうだと思うぜ>

「とにかく、そういう仕組みなんだ。」老人は強引に話を締めた。

 犬としゃべれる理由のことより、俺たちがどこ見向かっているのかが気になった。そして俺は老人に質問した。

「ところで。今はどこに向かっているんですか?」

「不死鳥のところに向かっている。」

「不死鳥?」

「ああ、不死鳥だ。」

俺たちは不死鳥のところに向かっているようだった。俺は不死鳥が存在することより、なぜ不死鳥のところに行くことの方が気になった。

「なんで、不死鳥のところに行くんですか?」

「不死鳥なら治し方を知っているからだ」

「なるほど」

「そのはずだ」

俺は、犬の首をねじった理由を聞いてみることにした。

「おじいさん、なんで犬の首をこんな風にしちゃったんですか?」

「実験だ。」

<ふざけるな!>犬が吠えた。

「私は、普段からこの森で研究をしている。まあ科学的なものというより、魔法と説明するのが早いだろうな。私は昔から魔法に興味があって、どうにか魔法のようなことをできるようにいろいろなことをしてきた。本当にいろいろだ。この魔法を試すには、対象が必要だ。そして今回はこの犬を対象にした。それだけだ。」

<俺じゃなくてもよかったんじゃないか?>

「おじいさん、この犬が自分じゃなくてもよかったんじゃないか、と言ってます。」

「今回の魔法は、犬や猫といった感情が見えやすい動物の方が、結果がよく見える。ここまで姿が変容するのは初めてだったがな。失敗かと思ったが、お前たちの話を聞いて少しこの魔法に対する理解が進んだ。」

「そうなんですか。」

「おそらく、この魔法は性格が体に現れるという魔法だ。それだけでなく、似た性質のもの同士は対話が可能になる。」

「でも、この犬はこんな恐ろしい性格をしてないですよ、ひねくれてるだけです」

<そうだよな>

「さあな、すべてはわからんよ」

適当だな、と思った。

俺たちはまた、十数分ほど森を歩いた。さっきまでの森より、空気が暗く感じる。一人でいくことはとてもできないな、と思った。首のねじれた犬でも、偏屈な老人でもいてくれればそれでよかった。

 ある地点を超えたところで、森の雰囲気が変わった。どんよりした空気が浄化され、木々がきらめいているかのように感じた。

「そろそろだ。」と老人が言った。

「不死鳥は、ずっと昔からここにいる。私が森に住んでいるのも、不死鳥がいるからだ。不死鳥は私の魔法を手助けしてくれる。」

 広場のようなところに出た。鶏がいた。でも多分、あれが不死鳥だろう。普通の鶏との違いがあまりわからなかった。

「おじいさん、あれが不死鳥ですか?」

「そうだ」

不死鳥は、普通の鶏のように動いている。老人が大きな声で、叫びだした。

「不死鳥、私が来たぞ。話を聞いてくれ。」

 不死鳥が、翼を広げた。翼は黒みがかった虹色という見たことのない輝きを見せた。

そして、声が聞こえてきた。

「やあ」

「やあ、不死鳥。君に会いに来たよ」

「やあ、君か。よく来たな。何の用だ?」

不死鳥の羽の輝きの波動が音になっているように感じた。

「この犬を、治してやってほしいんだ」

<頼むよ。>

「ははは、見事に首がねじれている。これは君がやったんだろう。後始末を私に任せる気か?」

「ああ、頼む。」

「そこの犬、私の目をまっすぐ見なさい。」

犬は目を向けるために体勢を移動した。首がねじれていると大変だなと人ごとながらに思った。

犬の目を見ると、「これは、仕組みは複雑だが、治すことはできる。」

<やったな>犬がこちらを向いて伝えてくる。

「することは簡単なんだ。私の羽を引き抜くだけだ。私の体は様々な魔法のような事象を起こすことが可能だ。今回は、羽を引き抜くことで起きる事象を使う。でもね、私がこうやって永く生きられているのは私の体に防衛機構があるからだ。その防衛機構は引き抜いたものの精神に影響が出る。たぶん、辛いよ。」

不死鳥が俺を見る。

「やるならそこの若い君だ。若くて健康な君がやるべきだ。」

俺は犬を見た。自分がやらないといけないなら、やるべきだと思う。苦しみがあることはあまり怖くなかった。

「わかりました。やってみます。」

<おまえ、いいやつだなあ。麻里ちゃんくらい優しいやつだ。>

「君を返してあげたいからね。」

<ありがとう。>

鶏の羽を抜く。途端、黒い靄に包まれた。そして、意識が途切れていった。


 祖父の背中が見える。彼は音楽を聴いているようだ。俺の意識は、夢を見ているときのようだった。映像が見えて、俺はそれに対しては思考をすることしかできないようだった。

彼は、一人で音楽を聴くことが多かった。俺に音楽を聞かせてくれることはなかった。理由はわからない。音楽を聴くときの彼は、一人の世界にいるようで、俺は少し寂しさを感じていた。俺は、成長につれて音楽を聴くようになった。その時に俺は彼のことを考えていた。彼は、これを共有したいとは思わなかったのだろうか。

 彼は、優しかったが、心では拒絶されている気がしていた。早くに親を亡くした俺にとって大事な家族は彼だけだった。祖母はおらず、祖母のことを聞いても、彼は「いい人だった。」としか言わなかった。

 祖父は俺が大人になるころには、もう話せなくなっていた。病気が彼を蝕んでいた。彼はついに完璧に閉じこもってしまったのだと感じた。

祖父との関わりで埋めることのできなかった寂しさは、人とのかかわりの中で減らすことはできなかった。ささやかな離別は寂しさをはぐくむことさえあった。俺は、誰かに寂しさから救ってもらいたかった。祖父が俺に心を開かない姿から、俺には誰からも心を開かないのだと考えるときもあった。そうでないと信じるしかなかったが、そうでないと言ってくれる人は誰もいない。

 そうした寂しさの中にしばらく浸っていると、視界に光が少しずつ現れてきた。そして光が完全に視界を埋め尽くした。光に視界が慣れてくると、木々と、空、しっぽを振っている犬が見えた。犬の首はねじれていない。犬は俺をなめていた。首のねじれていない犬は、少し薄汚れているけれど、目が無邪気で、上品で、飼い犬としてふさわしい姿になっていた。

「戻れてよかったね。」俺は犬に話しかけたが返事はない。もう話せないのだろう。魔法の効果が失われたのだ。魔法の効果が失われていても記憶はあるようで、俺にひどくなついた様子でしっぽを振り回し、俺の足に手をかけたり、なめようとしてきたりする。

「気分はどうだい?」と不死鳥が言った。

「思ったよりはひどくないです。」

「そうか、今回やったことは、人によってどのような苦痛が起きるかはわからないんだ。私にはね。」

「心の奥底のものを引き出された気がします。」

「そうなんだね、いずれにしてもよくやったよ。」

「ありがとうございます。」

 そう言うと俺は、急に足の力が抜け、その場にへたり込んでしまった。

老人はへたり込んだ俺を見ると、「疲れたんだろう。今日は私の家で眠るといい。」と言った。

俺はそうすることにした。もう何も考えることができない。すぐにでも眠ってしまいたい。老人と不死鳥にそのことを伝えた。

「人間たち、今日は帰るんだね。ゆっくり休むといい。そこの若い君は特にね。」

「ありがとうございます、そうします。」

俺たちは不死鳥に別れを告げて、老人の家に向かった。犬はずっとしっぽを振っている。

老人の家につくと、老人がご飯をふるまってくれるといった。そして、今日は、自分は寝ずに魔法の研究をするので自分のベッドを使え、と言った。

俺は、老人がふるまってくれたご飯を食べ、犬を洗うために、犬と風呂に入った後、すぐにベッドに倒れこんだ。倒れこんで、まどろんでいると、犬が布団に潜り込んできた。そしてすぐに寝息が聞こえてきた。俺も犬の温かさを感じながら眠った。

 起きると、犬は腹を出して寝ていた。少し撫でていると目を覚まし、俺の手をなめた。犬が俺を舐めるという行為からは、親愛を感じて、心地よかった。

少しすると、老人が俺のもとにきて、朝ごはんの準備ができたと言った。

朝ごはんを食べてから、俺は犬を飼い主のもとへ送り届けることにしようと思い、老人にそのことを伝えることにした。「おじいさん、昨日も今日もありがとうございました。僕はこの犬を家に届けてから帰ります。」

「ああ、そうしなさい。…今回は申し訳なかったが、必要な犠牲だった。私は魔法の研究をやめる気はない。」

「そうですか、好きにすればいいと思います。」老人が魔法の研究をすることにあまり興味はなかった。本当に好きにすればいいと思った。

 「好きにするよ」と老人は言った。

「では、さようなら。」

「ああ、さようなら。」

 俺と犬は森の外へ出た。空が森の木々から解放されて、朝の気持ち良い空気がより感じられる。犬も鼻をすんすんとさせて空気の違いを味わっているようだった。

 ふと、自分のミスに気が付いた。俺はこの犬の家を知らない。どうやってこの犬を家まで連れ帰ってあげればよいだろうか?

「なあ、君の家はどこにある?」犬に呼びかけてみても、犬はしっぽを振ってこっちを見るだけだった。もう言葉は通じていないのだろう。

 犬が道の向こうを見ているのに気付いた。向こうには人の姿が見えた。その姿は女の子だった。犬は女の子に向かって駆け出した。俺も追いかけようとして走って女の子の方に向かっていった。女の子もこっちの方に向かっているようだった。犬が女の子の方まで行くと、軽く体当たりをするようにぶつかっていった。そしてうれしくてたまらないという様子でしっぽを大きく振り、息を弾ませていた。そして彼女も犬を抱きしめていた。この様子を見るに、彼女が犬の飼い主だと思った。

 彼女たちのことを元に行くと、彼女が俺を見る。「あなた、だれ?」と彼女は言った。

返答に少し困る問だったけど、「俺は近所の人で、この犬が迷ってたから、連れてきたんだよ」と答えた。

「そうだったの。ありがとう。私、昨日の夕方ここら辺をお散歩してたら、急にこの子がすっごく怖い姿になっちゃて、逃げちゃったの。信じてもらえないと思うけど…」

「信じるよ」と俺は言った。信じるも何も見てきたのだけど、それを言おうとは思はなかった。

「ありがとう。でも、たぶん私の勘違いよ。それと、この子を連れてきてくれたこともありがとうね。」

「たまたま見つけただけだよ」というと、「わふ!」と犬が吠えた。俺は犬を見つめた。犬も俺を見ている。しばらくそれが続いた。すると女の子が「じゃあね、お兄さん。私はこのこと家に帰るわ。お父さんたちも心配してるから。」

「そうだろうね、じゃあね。」と俺は言った。「じゃあね!」女の子は手を振ってくれた。俺も手を振った。手を振り終わるタイミングを俺は逃していた。ここでもう犬と別れてしまうのは悲しいと思った。犬は女の子に抱かれて幸せそうにしている。もう俺は犬にとっては必要のない存在。寂しさがまぎれることはない。元の生活に戻ろうと思った。

 「わん!」気が付くと犬が俺のもとにまで駆け寄ってきていた。そして後ろ足で立ちあがり、前足で俺にのたれかかるような体勢をしていた。

「どうしたんだよ」と俺が言った。「わん!」また犬が吠える。女の子もこちらまでやってきて、「そのこ、あなたにだっこしてほしいみたいよ。」と言った。

俺は犬を持ち上げると、犬が俺の顔をなめてきた。この犬はすぐに顔をなめてくることに気付いた。愛情表現なのだろうか。

「お兄さんはこの辺の人なの?」と女の子が声をかけてきた。「うん、そうだよ」と俺は言った。「じゃあ、また会えるかもしれないわね、この辺よく散歩してるから、私たち」

これで最後の別れではないことを聞くと、少し安心した。

「そうなんだ、良かった。また会えるといいね。」

「じゃあ、帰るね、私たち」「うん、じゃあね」

犬を彼女に渡すと、俺たちは別れた。別れた後も、犬はずっと俺を彼女に抱かれたまま見つめていた。

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ポメラニアンフェニードッグ @eim1

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