第19話 航海士・火の精霊リン
僕らは船上を拠点に訓練を開始した。
ミナは海に潜り巨大魚と戦っている。
大きな爆破音と大きな、しぶきが高く舞い上がっている。
「がんばっているな。ミナ。」
マテオが「この海域は魔の巨大魚が多く生息している。たとえ魚人のお姫様だって、力には限界があるさ。しかし、これはあくまでも訓練だ。あんな巨大魚ぐらい、軽々と倒せないと、
あの海底ダンジョンの大ダコには瞬殺される。」
「マテオ、奴はそんなに強いのか?」
「強い。海ねこの俺様が見てきたどの海域の
魔物より強い。
それに奴には知能がある。人間に近い知能だ。
ただ暴れるだけの破壊の魔物達とは違う。」
「それって・・・」
「おーい!マテオ、カーイ!助けてくれ。」
ドンクの声。
振り返るとビックリするくらいの魚が、甲板に積み上がったている。
マテオが「少し休憩するか?」
「僕はまだ魔法訓練練習にも入っていないぞ。」
マテオが「カイ、お前にはあとでじっくりと
訓練してやる。
ミナもそろそろ限界のようだ。」
マテオは海ねこに変身。
ミナの訓練海域まで飛んだ。
ミナも船に戻った。
ドンクの獲物の数を見て
「わあーすごい。ドンク、やるわね。
相当筋力ついたんじゃないの?」
「まあーな。」
「それよりマテオ、この魚どうするんだ。」
「もちろん、我々の食事さ。」
「僕は構わないけど、魚人のお姫様が魚を食べても大丈夫なのか?」
ミナがあっさり「大丈夫に決まってるじゃない。」
ドンクが「共食いかよ。」
ミナがドンクにゴツン!と頭にゲンコツを入れる。
「ひどこと言うわね。私達は自分の国の海。
海域以外は全く別ものなの。
わざわざ外海に獲物の魚を狩りに行ってるんだから。」
僕はあっさり「そうなんだ。じゃあ、お腹も空いたし、食べないか?」
ドンクが「誰が料理するんだよ。」
ミナが「私、お姫様だし、料理は無理。」
僕は「ミナ、どうしたかな?
イメージがどんどん崩れていってるよ。」
「だってカイ。年下でしょう。ドンクもタイプじゃないし、まあ飾らなくてもいいし。
こんな感じ。」
「なんか本当のワガママなお姫様だな。」
マテオが「みんな聞いてくれ。
紹介するのが遅くなったリンだ。
彼女はギルマス、魔女のデルタが寄こした火の精霊リンだ。この船の航海士もやっている。」
背の高い、綺麗な瞳のミナより落ち着いた大人の女子が目の前に。
ドンクのテンションが上がっている。
マテオが「リンは火の精霊だ。料理も上手いぞ。」
「みんな、ヨロシク。」仲間が増えた。
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