第13話 魚人ミナは敵?
僕は忙しいカウンターで注文を聞きながら仕事をこなした。
テーブルのドンクとミナは、なんとか楽しんでいるようだ。
客足も落ち着いた所、ママが「カイ、手伝ってくれてありがとう。少し落ち着いたようだから
友達のところに行っておいで。」
「ありがとう。」
姉貴のレナも「お疲れ、カイ。」とご飯を持って来てくれた。
テーブに座った。
ドンクが「カイ。いい店だな。料理も上手いし、カイの姉さんも美人で最高だ。
よかったあー。カイについてきて。」
ドンクが店を気に入ったようで素直にうれしかった。
それと引き換えにミナの様子が少し気になった。口では僕らの話に合わせているけど誰かを気にしているようだ。なぜか落ち着きがない。それとも単純に酒場でもあるバルにはじめて入って緊張しているのか?
「ミナ、今更だけど、僕は14才。C級だ。
ミナはB級なんだよな。すごいな。ミナは何歳なんだ?」
ミナが答える前に聞かれてもいないドンクが答える。
「ドンクでーす。19才。A級でーす!」とA級のギルドカードを取り出し見せつける。
一見、ふざけた性格だが、よく見るとドンクのカラダの筋肉はすごい。シャツの上からでも筋肉の発達がよくわかる。かなり、カラダを鍛えている。
それに19才か。この異世界では立派な大人だ。僕より5才も年上か。
ミナが「私は16よ。」
「僕より2個年上だな。」しかし、ミナの様子が落ち着かない。
こういうときはストレートに「なあ、ミナ。誰か知り合いでもいるのか?さっきからキョロキョロしているぞ。」
「別に知り合いはいないわ。カイ、気のせいよ。」
「そうか。」
ドンクが「カイ、俺たちのことはいいからお前ことを話してくれ。
お前は何者だ?」
少し考えて「僕は異世界人だ。呼ばれて、この世界に来てしまったようだ。」
ミナがすかさず「誰に?誰に呼ばれたの?」
「さあーな。」僕はごまかした。なぜなら、僕を呼んだ銀色髪の少年が端のテーブルに座って僕にバツを出している。言うなってことらしい。
ドンクが「カイ、異世界人だったんだな。」
「ドンクなぜ、驚かないんだ。」
「実は前から異世界への入口が近くにあるらしいって噂があったからな。
それに俺様は冒険者だぜ。何も驚かないさ。
それにもう一つ、噂がある。
魚人がその異世界を征服しようとしていると。」ドンクがミナを見た。
「バーン。」目の前に銀色髪の少年がテーブルを叩いた。
「魚人のお姫様がなぜここにいるのかな?
ミナ。」
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