第11話 悪い魔女

「デルタ。いや、ギルマス。

もう、隠さなくてもいいよな。」

「私が魔女だとバレたようね。

でもカイ、急に言葉遣いが偉そうになったな。」

「さっきの子供のケガを見せられたら誰だって、多少は強くなるさ。

それに今はこれが現実なんだろう。」

「そうだ。その通りだ。

カイ、お前はあの大ダコを山下公園で見た。

その時からすべてが始まっている。

時空を超えて奴を倒す。

それがこちらの世界に呼ばれたカイの使命だ。」

「わかっているさ。」

「それにさっきの男の子を引いた馬車は普段はこんな暴走はしない。たぶん、

海底ダンジョンのボスモンスターの大ダコの影響だ。

基本、海の生命体と陸の生命体は交わらない。干渉できない。」

僕はちらりと魚人のミナを見て。

「じゃあ、ミナは?陸で普通に生活できるようだけど。」

デルタが僕の頭を魔法の杖で「コツン。」

ミナたち魚人は特別だ。どちらも行き来できる。それに人間は魚人を下に見ているようだが、元は人間も海から生まれた。」

まわりの冒険者たちが「へえー」っと驚く。

が冒険者たちにとって人間、魚人の区別はなさそうだ。

元来、冒険者は多様性を自然に受け入れる。

冒険者の1人が、「お取込み中、悪いが、ギルマスが魔女でも俺たちは構わないぜ。

もしかして、100年前の魔女と魔法使いの争いを気にしているのか?」

僕が知らない100年前の出来事?

気になり僕は

「僕の名前はカイ。新人だ。よろしく。」

「俺様はA級ライセンスのドンクだ。

ヨロシク。」

「ドンク、そのこと、教えてくれないか?」

「いいぞ。ここの港で100年前に女の子が海に落ちた。

ここの住人達は大なり小なり魔法が使える。

しかし、残念なことに魔法は海の中までは届かない。

引き上げようとみんなで魔法を海に放った。

必死に助けようと海に魔法を放つ。

その時、通りすがりの魔女が

”魔法を海に放してはいけない。

海底ダンジョンのボスモンスター大ダコが目覚める。災いが起きるぞ。”と言って魔法の邪魔をした。その時、魔女の魔法で人々にケガをさせてしまった。

何とか女の子は海から引き上げられたが。

それ以来、この町では魔女は嫌われている。

しかし、ほんとは魔女が女の子を海から助けたようだ。

とてつもない、力を魔女は持っている。

近づくな。と言い伝えられてる。」

「ドンクの言う通りよ。」

「私は最強の魔女よ。

強い冒険者はみんな私についてきなさい。

これから海底ダンジョンボスを討伐するわよ。」






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