第2話 携帯使用

ふと家はどうなったのだろうと考える。戻してもらった所持品の中の携帯を取り出した。充電はされている様だ。


そうか

執事や家政婦ならつながるかも


ツーツーツー

トゥルルルル


『一一はい』


「あ、良かった。つながった。丸山さん?」


『?学様』


執事は不通だったが、家政婦の丸山に電話がつながり嬉しくなる。今までそれなりに世話をしてもらっていたが、たいした礼もしてこなった。今こそ言うべきなのかもしれない。


「そう、俺、俺だよ、オレ」


『?あぁ~…学様の筈はないですね、切ります』


ガチャ

ツーツーツーツー


「え?何で切るんだよっ!」


『お客様のお掛けになった電話番号は現在使われておりません』


もう一度連絡するが、無情にも流れるアナウンス。


困った




駅前の噴水の前に座って街行く人々を眺める。服装がなんとゆうか、バラバラだ。人種もバラバラ。ここは日本なのだろうか?


携帯の日付は2024年9月。本当であれば自分は一一一一47才だが、こうしてここにいる。


「帰りたい」


秋風が吹き抜けた。

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