「真由美は自殺なんかしてない」

真っ赤な目を見開いて、里美をまっすぐに見つめる。

「でも、真由美は携帯彼氏と上手くいってなくて、悩んでたって」

「いくらなんでも、バーチャルな彼氏と上手くいかなくなったからって、自殺する人なんていると思う？　これはゲームなんだから」

由香がムキになって言い返してくる。

「自殺じゃないなら、事故だったってこと？」

「自殺だったら、悲鳴なんてあげるかな？　私ははっきりこの耳で聞いたの。真由美の悲鳴を」

確かに由香の言う通りだ。

自分で身を投げ出すのだから、悲鳴をあげるのは不自然だ。

悲鳴をあげるとすれば、誤って足を滑らせた場合か、もしくは背後から押された場合……。

「真由美の死に、携帯彼氏が関わっていることは間違いないの。

最近の真由美は少し様子がおかしかった。

携帯彼氏について何か調べようとしていたみたい」

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