第13話
「私がここへ到着したとき、真由美はまだ生きていた。
携帯電話が鳴ったのが5時少し前だった。
こんな時間に誰からだろうと思って、着信の名前を確認したら『リク』ってなってて驚いたの。
真由美の携帯彼氏の名前だったから」
聞きたいことは山ほどあったが、里美は最後まで由香の話を聞くことにした。
質問するのはそれからだ。
「リクは私にこう言ったの。真由美死ぬよ。やっぱり真由美じゃ駄目だったんだ。帰ろう、愛すべき人の元へって」
真由美が飛び降りた屋上を正面に睨みつけながら、由香の言葉を頭の中で繰り返す。
真由美じゃ駄目だったとは、どういう意味なのか。
それに、愛すべき人へ帰るとは一体……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます