第12話
「一体どういうこと? どうして私の名前がわかったの?」
こんなことってありえるのだろうか。
画面の男はまるで存在しているかのように自由に動き、現実世界のこちら側に話しかけてくる。
「これテレビ電話なんじゃないの?」
里美の問いに、またしても由香は首だけ横に振って答える。
「何がなんだかさっぱりわからない」
呟いた言葉に、由香は何も答えてはくれない。
「え? ちょっと待って。それじゃ由香が受けた電話って一体……?」
携帯サイトからダウンロードしてきたものが、実際に由香へ電話をかけてくるなんてことはありえないのではないか。
「わからない。わからないの」
由香は顔を覆って泣き崩れた。
大きく肩を揺らし、大粒の涙を流した後に由香がぽつりと呟いた。
「真由美は、携帯彼氏に殺された」
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