ネットで知り合った彼

黒猫

第1話 生活保護だと友達出来ないって本当ですか?

SNSの友達サイトに面白い投稿を見つけた。楓は48歳のバツイチの女性で、数年前に夫と離婚し、子どももいたが最近離れて暮らす事になり情緒が不安定のまま1人で生活していた。

 寂しさを紛らわすために、SNSで每日誰かと会ったり、会話をしたり、メールをしたりしてなんとか、メンタルを安定させていた。

 そんな時に、飛び込んできた楓にとってインパクトのあるとてもワクワクするフレーズ、それが「生活保護だと友達が出来ないって本当ですか?」

 どんな人が投稿したのだろう。凄く気になっていた。


 (初めまして、こんにちは。面白いフレーズに思わず連絡しちゃいました!J.wさんは生活保護なんですか?) 


(そうなんです、コロナで退職してから受けていました。特にこれといった活動をしてる訳ではないのですが、受給されてる方にインタビューしてみようと思いはじめました)


(受けたばかりなのですね、最近物価高で生活大変ですよね)


(そうなんですよ~、電気代をみてびっくりしちゃいました)


そんな内容の会話をしていた。どこにでもある雑談といった感じだ。終始楽しくJ.wさんとの会話が每日が過ぎていった。


いつしかJ.wさんが地域の人の困り事相談にのってる話を聞いた。そこで知り合った方に、お礼に食事にとあえてJ.wさんの誕生日にファミレスに誘われたらしかった。所が当日、いろいろなご近所の愚痴を聞かされ、挙句の果てに代金のお支払いはJ.wさんもちだったという。疲れたJ.wさんは楓に初めて電話をしてきた。


「聞いてくださいよ〜、今日お礼と言われたのでこの間の方とあったのですけどね、近所の愚痴を言われて、食事は俺もちだったんですよ、俺の誕生日だったんですけどね」


「あははは、まあそんな事もありますよ、その方にとっては、付き合う事がお礼だったのかもしれませんね」


彼と初めて話た会話はなんとも変な始まりだった。それまではメールでしかやりとりを1日に1.2回程度だったのだが、急に話た事で親しみを感じていた。


それから数日がたち、私は自分のアパートの上の階の物音に毎回びくびくしている事があった。それは、夜中22時から深夜2時まで続く壁を殴るような音。そして足音。涙がかってに出てきて止まらなくなっていた。それをJ.wさんに言うと心配してくれて、その音がなってるたびに電話をかけてくれるようになった。


それが、不思議な彼との出会いだったのかもしれない。


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