隣の国ヴェーロの城下町にて
第15話
数時間後、俺たちは隣の国のヴェーロについた。俺は景色見ているだけで楽しかった。え、他の人?記憶にございません。
さて、最初こそ旅の目的はなかったが、今は”悪の組織ヒドラを滅ぼす”という立派な目的ができてしまったので、うかうかしていられない。
ヒドラの本拠地はそれなりに遠いし、何より今突撃しても戦力的な問題で瞬殺されて全滅する未来しか見えないから、今やることと言えば各地の崩壊を止めつつ、レベルアップしたり仲間増やすして強くなるぐらいしかない。他の人が聞いたら”厄介ごと”かもしれないが、俺にとっては楽しい。まあ、もともとネトゲやってたぐらいだし。
レアルタや城下町とは雰囲気が全然違う町だと思った。町で使われている素材は割と似ているが、人々の服装が違ったりするため、全く違う雰囲気を作り出していた。
「ちなみに、ここにはどれぐらい滞在するの?」
「ランクがC-5ぐらいになったらいいかな?強くなるためだからな。」
ここの敵は物理が効くモンスター、魔法が効くモンスター、ヒーラーの使い手が重要なモンスター、タンクの腕前が重要なモンスターなど個々がよく鍛えられる場所なので、レベル上げのために使わせてもらうことにした。それに。
(次に崩壊する町はここから北に行くとつく町だからな。)
あの社畜実行犯を逃がしたとき、実行犯は転移魔法を使って逃げていた。その場を離れる前に追跡したのだが、この町に転移していた形跡が発見されたのだ。北の町が狙われている可能性は限りなく高い。そうなると、一刻でも早く向かった方がいい気がする。
「よし、討伐依頼を受けるぞ。」
「「「おー!」」」
{***}
「はっ」
このモンスターは物理防御が高いな。こういうときは防御無視攻撃を繰り出せるといい。
剣を持っている手に集中して、たまる感覚がしたら一気に切りつける。そうするとモンスターはボロボロになって果てていく。威力が上がる感覚というよりは、物理防御力を無視するみたいな感じで、それが結果的に威力が上がっていることになっているのだ、実際はわからないが。前例がなさすぎて文献がないからわからない。
防御無視攻撃について考えていると、向こうに黄色い竜が見えた。
「あ、ちょっとだけ私に任せて?」
タヴァーノはそれだけいうと、黄色い竜に近づいた。電気竜の五位中の四位ぐらいだが、竜族ならそれなりに強いだろう。竜族はモンスターの中でもとびぬけて強いから。
「@#!(こんにちは!)」
「+、@*<+>?(え、俺たちの言葉がわかるの?)」
「$#>、+*@+*<#%+@。(当たり前よ、私はあなたたちと話すために覚えたもの。)」
「&%、<;+@’%&*+*、@?(ねえねえ、俺はあなたの仲間になりたいんだけど、いい?)」
「+&%*!(もちろんいいわよ!)」
そういったあと、タヴァーノは魔法を唱えた直後電気竜をまぶしい光で包んだ。
「今のはなんだ?」
「召喚魔法用の転移魔法よ。この転移魔法を使うと召喚がしやすくなるの。」
「そうなのか。」
「それにしても、ようやく全属性そろったわね。世界中旅してきたけど、ようやくそろったわ。まあ、竜族を使役できる身体になったのがたった1年前だからしょうがないのかな?」
「え、世界中旅してたのか?」
「そりゃあそうでしょ。師匠のお姉さん方が旅人なんだから。」
「ああ、なるほど。」
タヴァーノの師匠のイザード姉妹が旅人なのは辺境の町ソグノでも有名な話で、イザード姉妹が訪れるといいことが起こるという噂もあるぐらいだ。
「さあ、レベリングの続きとしましょう!」
「おう!」
俺たちはこの町の周辺で能力を鍛えまくった。
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