第2話

 快翔は翌日、自分より早く教室にいた彼女に挨拶をした。

「おはよ」

 翼は快翔の方を向き、目を見て小さく頷いて読書に戻った。


 何やってんだ、あいつ…と言わんばかりの視線と『花宵に構う桜葉やっさしーw』の声。それから無関心な空気。

「うるせーな、俺にとっちゃいつものことだろ」

 そう。彼には『ペアになった人に朝、挨拶をする』習慣があった。それが誰であっても、だ。

「まぁ、お前はそういうやつだよなぁ〜?」

「あぁ」

 勝ち誇ったわけでもなく、通常運転でそう返す。教室の空気が落ち着いて朝礼の鐘が鳴った。

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2024年10月5日 17:00
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演者 夜桜夕凪 @Yamamoto_yozakura

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