第4話 五人の戦士
学生と大人たちの何人、今の技に巻き込まれたか――数えていられるほど、彼は冷静でない。
黒衣のルービックが振り返り、今度は彼へ向けて技を放つ。
「『ルービックリスタル』!」「『ルービックリスタル・アルター』ッ!」
二人の前に顕現した結晶のエフェクト同士が拡大してぶつかり合う。
「
ナンバー、あなたって人は!」
数字による技の複製くらい、ずっと君たちの背中を追ってきた俺ならわけないに決まっている。
きみという理想に届かなかったとしても、それはまだ受け入れて前に進んできたつもりだ。
だけど今、垣間見せられているものは、俺の理想だった君たちからは程遠い。
「……俺は今、怒ってるのかな?
どうしてきみが人々に技を振るうのか、納得できる理屈がまったく思いつかないんだ」
「ならそれは、死んでもわからないよ」
「――、本当にきみはルービックなのか」
「私は私の戦いを貫く、それだけ。
きみの役目は終わったんだよ、ナンバー。
いまの君の周りに、いったい誰がいるというの」
「!」
ステッキの先が彼の喉元へと、鋭く向けられる。
*
黄金碑郷をマテリアール帝国から守護する有志、五人の絢爛なる少女たち、伝説のパズルクラフトらに選ばれた、オカルティック・パビリオンことクラフトホルダー。
パビリオン=ルービック、
パビリオン=ウィズダム、ラビリンス
パビリオン=ジグソー、
パビリオン=アナグラム、
パビリオン=チャトラン、
以上の五名については戦闘時によく同行していたこともあり、変身前の名前も一方的に把握していたりする。
名前だけ並べてもアレだが、ナンバーこと魅那から見た性格順でいえば、1.純情熱血バカピンク、2.星占い好き運命論者マリンブルー、3.平和とは名ばかり腕っ節の実力至上主義者イエロー、4.やたら口が回る悪戯っ娘オレンジ、5.性格最悪ガチレズの頭でっかちがパズルへ選ばれてしまったばかりに頭脳明晰を気取ってるパープル――といった具合か。
いずれもひと癖ふた癖はある美少女たちなのだが、変身前の彼女らは正体を隠して活動していた。
また彼女らは今日に至るまでナンバーの変身前、
こちらとしては隠しているつもりはないが、誰にも興味を持たれなかったしその方がルービックこと恵瑠乃との距離感を保つのに都合の良かったのだ。
恵瑠乃には個人的な恩がある。俺がパズルクラフトに選ばれるようになった切っ掛けだ。
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