僕の一番嫌いなアレンジ料理

僕の嫌いな料理

　前回、祖母の作るアレンジ料理「豚汁シチュー」についてご紹介させていただきました。

　もし、見ていない方がいらっしゃったら是非見ていってください（宣伝）。

　https://kakuyomu.jp/works/16818093085143420290

　さて、お気づきの方もいらしたと思うのですが、豚汁シチューは祖母の作る僕の嫌いなアレンジ料理ランキング２位なんです。

　豚汁シチューも出来ればもう二度と食べたくはないのですが……。

　ということで、今回は僕が思う、祖母の作るアレンジ料理ランキング1位を発表したいと思います。

　嫌いなアレンジ料理ランキング第１位に選ばれたのは～～！！！

　イワシの水煮です。

　前回の豚汁シチューを凌駕するレベルのゲテモノが出てくることを期待した皆さん、ごめんなさい。

　１位はイワシの水煮なんです。

　僕が一番嫌いだったのは何の変哲もない、ただのイワシの水煮だったんです。

　見た目は普通の煮魚。

　じゃあ、なんで嫌いなんだ？って思いますよね。

　僕は別にイワシも嫌いじゃありませんし、煮魚も好きな方です。

　そもそも、僕たち一族は幼少期から祖母による特殊な訓練で好き嫌いは、ほとんど無くなっています。

　それにもかかわらず、このイワシの水煮だけはどうしても駄目なんです。

　豚汁シチューはクリーミーな甘い味噌汁なだけで完食自体はできます。

　後期生産型も胃の中でのリバースエンジニアリングを考慮しなければ、完食できます。

　祖母の作るイワシの水煮だけは、体が拒否反応を起こしてしまい、一切口の中へ受け付けなかったのです。

　今思い出すだけでも冷や汗が止まりません。

　じゃあ、どんなものかって話なんですけど、ただのイワシの水煮です。

　イワシを水で茹でただけです。

　味付けも何もありません。

　うちの祖母は内蔵にも栄養が詰まってるということを言っていたので、内臓も処理していたのか怪しかったです。

　味は覚えていないのですが、衝撃的な味だったのと、すごく生臭かったような記憶があります。

　僕の味覚がおかしいのではないかと思ったのですが、そうでもなさそうなのです。

　その場で僕と一緒に食べた母と弟も、一口食べただけで青ざめ、再度口にすることはありませんでした。

　何でも食べることに定評のある祖父も、一口食べて顔を顰め、「これ醤油かけたほうがいいんじゃないか？」と言っていました。

　ですが、それを聞いた祖母は劣化のごとく怒りだし「これはそのまま食べてください」と祖父に向かって怒鳴っていました。

　祖父は諦めたのか、そのまま水煮を僕たちの分まで食べていました。

　あのとき、私達家族は問題が山積みで気の休まる時間がありませんでした。

　だから、みんなおかしくなっていたんだと思います。

　祖母も例外ではなく、きっと精神的に不安定でした。

　その結果が、料理に反映されたんじゃないかと今更ながら思ってます。

　あれから10年近く経ちますが、祖父母の家に行くと、たまに変な料理は出ます。

　ですが、豚汁シチューもイワシの水煮も出てきていません。

　今後、もう出てこないことを強く願います。