SteelKnightWars~鉄騎激突

@MonsterHunter34

第1話 プラモデラー⇒VRゲーマー

 こんにちは、俺の名前は鍋川祐一なべかわゆういちです。趣味はプラモデルを組むことです。


 最近はVRゲーム等がとんでもない人気を博しており、世はまさにゲーマーの時代。 


 俺も高校1年の時まではちょくちょくやってたけど、プラモデルを組むのにハマって部屋も組んだ、塗装じたプラモでいっぱいだ。


 学校は何不自由なく、みんな平和でとても治安が良い。オタクはオタクで集まり、やんちゃな子はやんちゃな子で集まる、互いに干渉したりしない、結果とても平和。


 今日は金曜日、先週買ったプラモデルをさっき組み終わったばかりだ。今は特にやることもないのでなんとなく買ったゲーム雑誌を読んでいる。


「ただいまー」


「おうおかえり、今日部活じゃなかったっけ?」


「顧問が「たまにはいいでしょ」ってなってなくなった」


「ほーん」


 こいつは俺の弟、鍋川晴斗なべかわはると、名前で中学サッカー部のエースだと、めっちゃモテてるらしい。


「あれ?今日はリビングにいるんだ」


「ついさっき組み終わったんだよ、見るか?」


「やめとくよ、前にうっかり倒しちゃってヤバいことになったし・・・」


「反省してるならよろしい」


 晴斗の服のポケットから着信音が鳴る。


「ああ佐々木からだ。おうどうした?・・・・え?今から、行く」


 電話を切り、部屋に上がる。


「友達か?」


「そう、サッカーするんだと」


「気を付けて行ってこいよ」


「あーい」


 10秒くらいで私服に着替えた晴斗はそのまま外に出ていく。


 流石に着替えるの速すぎだろ・・・。


「まぁいいや」


 雑誌のページをめくる。ロボゲーの情報が載っている、ここ半年はゲームのニュースをあまり見ていない。


「久しぶりにVRゲームやろうかな、夏休みも近いし」


 フルダイブ型VRゲーム―それまでのVRゴーグルをつけてするゲームは言わば「世界を覗く」に過ぎなかった。

 石炭から電気と石油へとエネルギーが移り変わったように、VRもまた「窓」から「扉」へと移り変わる。



 俺はとあるゲームの記事に目が行く。


 「SteelKnightWars」、1か月前に発売されたロボットアクションゲーム。これにしよう。


 俺はゲームショップに向かった、前回ゲームショップに行った時何買ったっけ。ああ思い出した、たしかアレもロボゲーだったな。


 ゲームショップに着く、だがそこに見た事ある人影が。


「ん・・・鍋川じゃねぇか!珍しいな!。てか外出るんだな」


「俺は引きこもりではないぞ、最近は制作難易度の高いプラモを組んでいたんだ」


 彼は緑川大智みどりかわだいち、明るい性格の体育委員だ。彼とは休み時間によく話す。


「何買いに来たんだ?」


「久しぶりにロボゲーをやろうと思ってな」


「へぇ~、また感想聞かしてくれよ!俺はこれから彼女ん家に用があってな。じゃあまたな!」


「おう、またな」


 相変わらず元気なやつだ。



「ありがとうございましたー」


 今、ビニール袋の中にゲームのパッケージが入っている、これから俺はゲームという名の”新世界”を体験するのだ。

 

 その日の晩御飯はから揚げだった、とても美味しい。そして俺は風呂に入り身を清める。これはゲームのパッケージを開ける「開封の儀」のために汚れを落とす行為だ。


「風呂入った、歯磨いた、よし!やるぞ」


 パッケージを開け、先に説明書を見る。中には大まかなあらすじとゲームの仕様が書いてある。


 プレイヤー達は広大な開拓惑星・ヘキノ112を「スティールナイト」と呼ばれるロボットを操縦し、自由に生きることができる。

 なるほど、開拓惑星といったらやはり資源をめぐる企業同士の戦争とか、もしかしたら星規模の戦争とかが起きるかもしれん。


「まぁ考えるより感じた方がいいな」


 VRヘッドギアにカセットを入れ、ベッドに仰向けになりゲームを始める。



「うわ・・・多すぎる」


 俺はキャラメイクの圧倒的自由度に驚かされる。これロボゲーだよな!?普通ロボゲーにこんなキャラメイクはあんまないぞ。


 髪色に目の色、体格や人種、スゲェな。個性がでるねぇ。


「よし、じゃあこれにして・・・あとは・・・」


 10分くらいで完成。


「初期機体を選べ・・か」


目の前に4体、ロボが現れる。


・RF―0034・クアッドトルーパー

 タイプ・中量射撃

 星外企業、レイナド・ファクトリーが開発したSK(SteelKnight)。主に中距離での引き撃ち特化。


・HM―0003・レンブルグ

 タイプ・軽量近接戦闘

 ヘキノ112現地企業、マゼルバが開発した試作型SK。接近戦を得意とし、機動力が高く、軽量の割には硬い。


・C03MF―1458・スクランブル・ファイター

 タイプ・軽量飛行

 コロニー03で開発された可変SK。地上より空中での戦闘に特化しており、そのため装甲がそこまで厚くない。


・AI―0015・嵐鉄

 タイプ・重量射撃

 星外企業、アダムス・インダストリーが開発したSK。両腕と両肩合計4門の大型バルカン砲による高い火力が強み、装甲が分厚いので飛ぶことは出来ないが、高い防御性能を持つ。


「どれにしようか・・・」


 まいった、どの機体もイイ!。だけどこの中から一つしか選べない、なんて残酷なんだ。クアッドトルーパーのようにそこそこの機動力の射撃機もいいし、レンブルクのような「当たらなければどうということはない」みたいな機体もイイ。だけどスクランブル・ファイターの変形する奴もイイし、嵐鉄みたにドッシリ構えてパナすやつも凄くイイ・・・。


「っく!・・・・一体どうすればいいんだ!?」


 始める前に軽くこのゲームについて調べたんだ、「このゲームはメカのカスタマイズの自由度が半端ないから最初の機体は別にそんな悩まない」っていう感じのコメントが沢山だったけど・・・・。


「俺は今すぐ全部乗りてぇの!!」


 だめだ一回深呼吸・・・・フゥー-・・・よし。


 冷静に考えろ、俺はこのゲームが初めてだ。これまでもロボゲーはやったことがある、だがそのほとんどは機体と体をリンクして操作するやつだ。

 だがこのゲームは実際にコックピットに乗り込み操縦桿とペダルと色んなスイッチを駆使して操作をするやつだ。


「つまり今俺に必要な機体は・・・」


 自然と導き出される。


「あとは名前だな」


 そのまんまの名前は流石にだめだな、なにか”俺”を象徴するような名前がいい。


「だけどせっかくならパイロットみたいな名前がいいな」


 リバー・ポット・・・・コレか!?。


「よし、では名前は『リバー・ポット』だ」


 名前を打ち終わり、ついにゲームが始まる。


「リバー・ポット、出る!!、なんちゃって」


 気分は上々、こんなにワクワクしたのはいつぶりだ?予約したプラモが届いた時くらいワクワクだ。


「見せてもらおうか、フルダイブ型VRロボゲーの実力とやらを」


 

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