コシュマールヴィルのフォレッタ。
猫野 尻尾
第1話:耳鳴りからの・・・。
悪魔は様々でその種族の中にフォレッタと呼ばれる小悪魔がいる。
基本悪魔は人間と同じで男女の悪魔が存在していてフォレッタは女性の悪魔。
そのほとんどの小悪魔の容姿は人を惑わすほど美しく不老長寿であると
言われている。
ちなみに男性の悪魔のことを「ディアブル」と言った。
ここはその小悪魔が棲む「コシュマールヴィル」悪夢の世界。
ジョリー・マルールは悪魔の学校「メフィストフェレス学園」へ通うフォレッタ
「小悪魔」
コシュマールヴィルには学校もあるしスーパーもあるしアミューズメントパーク
もある。
悪魔の棲む世界と言っても人間界とさほど変わったもんじゃなさそうだ。
ジョリーは抱きつき魔・・・誰彼なしに抱きつく癖がある。
彼女からすれば、それは一緒のコミュニケーションでしかない、女子の悪魔は
ジョリーのハグを迷惑がる・・・まあ男子の悪魔はけっこう喜んでるみたいだ。
と言うのもジョリーは女子の悪魔の中でも、とびきりの美女だからだ。
意味なんかなくても、そんな子からハグされたら悪い気はしない。
言ってみれば顔はあどけなくチャーミングでキュート、なのに体は大人。
はち切れんばかりの特上のナイスバディ。
ジョリーは悪夢の世界で毎日、ノ〜天気で楽しい学生生活を送っていた。
でも、これと言ったお気に入りの彼氏がいる訳でもなく彼氏なんてウザった
くて煩わしい・・・女々しくていちいち面倒くさい・・・だから彼氏なんか
欲しいとも思ってなかった。
さて、ところ変わってこちらは人間界・・・人間の男子「
現在就職戦線異状ありな状況。
好人の性格は、優しいにバカがつくくらい大人しくてお人好し。
ゲームオタクで、コスプレオタク「主に鑑賞する方」
他に特別これと言って自慢できるところもなく普通のどこにでもいる男子。
彼女いない歴、三年・・・最終的恋愛はどちらからともなくフェードアウト
した形で終わっている。
まあ、それゆえ一応女性経験はあるけど、かと言ってどうしてもセックスが
ないと欲求を抑えられないと言う性欲魔神ってわけでもなかった。
好人は母親とふたり暮らし・・・両親は好人が物心つくまえに離婚していた。
今は母親と知り合いのマンションを格安で借りて細々と暮らしていた。
それより好人にはひとつ悩みがあった。
それは可愛がっていたワンちゃんを自分の不注意で死なせてしまったことだった。
それがストレスになって耳鳴りがし始めたことだった。
精神的苦痛により一時的にそうなったのかもしれない。
いつも耳鳴りがするわけじゃなく、時々何も手につかないくらいひどい時もあって、
モスキート音みたいなキーンと言う音に悩まされていた。
その日は就職活動のため会社の面接に遅れないよう、近道をするため公園の中を
突っ切った・・・。
公園の中央あたりで横目に子犬が一匹いるのが目に入った。
(どこかの飼い犬かな)
すぐに首輪が目に入った。
どことなく亡くなったサラダに似てるって思った。
だから好人はサラダとの悲しい記憶を、つい思い出してしまった。
そのまま犬をやし過ごして公園を突っ切ったあと歩道橋の階段を駆け上がった。
歩道橋の中央あたりに来た時、突然例の耳鳴りがはじまった。
耳鳴りが静まるまでと好人は歩道橋の真ん中で立ち止まって欄干にもたれて
やり過ごそうとしていると耳鳴りはどんどん激しくなっていった。
耳を押さえたが、それはただそうすれば多少は耳鳴りに対して効果があるだろう
と思っただけの行動でなんの意味もなかった。
気分の悪いモスキート音に我慢できなくて、その場にしゃがみこむと好人はそのまま目の前が真っ暗になって一瞬なにも見えなくなった。
心に悲しみのストレスを抱えた好人は一瞬にして見知らぬ場所に飛ばされていた。
つづく。
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