【世界一爆笑】死された我より愛をこめて

沼津平成

第1話 もし天国が受付で改名できたなら

 私がその場所にはしごを伝って登ってきたとき、腕はもう疲労でぱんぱんになっていた。自転車をこいでやってきた、俺のあこがれていた青年、トオノがいった。

「よう、キタか」

 キタ。吸い込まれるような響きで、確かにトオノはそういった。

 キタ――。その響きをかみしめながら私は口を開く。「拙者、鹿波勇衛男かなみゆえおでござる」

 改名してきたんだよ、さっき。

 ――私、いや拙者のあこがれていた、忍者になりたくて。

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【世界一爆笑】死された我より愛をこめて 沼津平成 @Numadu-StickmanNovel

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